★「民主社会主義者」を名乗るサンダース氏が支持拡大、クリントン氏に迫る
仮にも「社会主義者」を名乗る人物が米国の大統領候補選で大きな支持を得ることはかつてない出来事
「1%(富裕層)が99%(庶民)の富を収奪する社会はおかしい」の主張に若者たちが共鳴
米国経済はここ数年全体としては景気がだんだん良くなって来ていたのですが、それでも格差が拡大し続けていたからです。
実はバブル崩壊が大恐慌になるのを食い止めるためとして、バブルを起こした原因者でもある大銀行や大企業を救うために、国民にしわ寄せしました。
そのくせ一般国民には医療にさえ「個人責任」という考えを押しつける保守層が高すぎる医療費の患者負担を抑えようとようとしたオバマ大統領の医療保険制度創設にも猛烈に反対し、極めて不十分なものに押し止めました。
一方、「21世紀の資本論」を書いたフランスの経済学者ピケテイ教授たちが現代において格差の極端な拡大が進行していることを確かなデータで証明しました。
バブルを起こした原因者でもある大銀行や大企業を救うために国民にしわ寄せしたことに対して・・・ひどい格差の存在とその拡大を我が身で体験し、周りで目のあたりにしてきた若者たちがピケテイ氏らの主張に勇気付けられてウオール街でデモや座り込みの抗議活動を繰り返した時期がありました。
「1%(富裕層)が99%(庶民)の富を収奪する社会はおかしい」の主張に若者たちが共鳴し、さらにこうした認識が広がって・・・今のサンダース氏の健闘があるのです。
米国には確かに強みが在ります。
特に科学や技術やアイデアや芸術や人物などを評価するとき、日本のように余計な権威や過去の実績等の先入観を優先させず、評価すべき対象そのものの内容や人物の能力を素直に評価し、その将来性の方を何より重視して評価する傾向があります。
そして世界の優れた人材を引き寄せ活用出来ることを重視し、それが出来ています。
また、一部に非公式の人種差別が根強く残っているものの、建国以来、毎年多数の移民を受け入れて人口を増加させていると共に、人種・民族・文化等の多様性をどの国よりも拡大しています。
温帯地域に大きな国土と豊かな資源も持っています。
そのことによって国全体としては大変大きく強い経済を有しています。
しかし、一方、「市場原理主義」「何でも個人責任」の考えによる制度・政策が強く、格差がもの凄く拡大して、貧困者が溢れていて、それが放置されている社会でもあるからです。
日本では米国の良いところは学ぶべきですが、超格差社会とそれを生み出す「市場原理主義」「何でも個人責任」的な考え方や制度・政策等は反面教師として学ぶべきです。
米国でも大きな批判の波がうねり始めているくらいですから。