「失踪」とご家族の辛(つら)さ(R4.9.15)
令和4年9月15日木曜日「荒木和博のショートメッセージ」第884号。
ご家族の皆さんの身になって考えることはできませんが、それでも苦しみの一端は感じています。
「全部拉致でなくて、日本国内で見つかってくれたら」と思うことすらあります。
安倍元首相暗殺事件後のワイドショーではこれでもか、これでもかと自民党議員と旧統一教会について連日取り上げています。
祝電を送ったとか、関連の新聞に記事が載ったとか、些末な事まで取り上げ、
結果、安倍憎し、そして国葬反対との声が高まっています。
それだけテレビの力は大きいです。
しかし毎日、特定失踪者の失踪場所を報道したり、荒木さん達の運動を報道すれば
社会の注目度は変わり、何とかしなければならないと思ってくる筈です。
ところが政府も含めて、拉致問題は他人事です。
ここ最近、テレビで報道されたことは殆どありません。
蓮池さん達被害者が帰国してからもうすぐ20年です。
そんなこともあり、昨夜はNHKで小泉訪朝を取り上げていました。
新しい情報もなく、田中均氏がインタビューに答えていましたが、
一番熱心だった安倍さんには全く触れていませんでした。
ただ、私は田中氏に安倍さんの事について語らせないで欲しいと願っていました。
というのも田中氏の主張は安倍さんが北朝鮮との約束を破った。と安倍さんを批判するだろうと思ったからです。
特に金丸信訪朝から、日本は拉致被害者を取り戻すとの発想がなく、
ただただ日朝国交正常化だったと思います。
それは今もそうです。
本当に被害者を奪還するとの強い意志があるなら、そして国会議員全員、国民全員がその意思があるなら
もっとワイドショーで取り上げ、関係者を糾弾し、更には朝鮮総連についても言及する筈です。
しかし、そんな機運はありません。
拉致被害者もそのご家族もどんどん年老いてきます。
親御さんや兄弟に再会して欲しいのは当然ですが、被害者自身が日本の社会に慣れるには日にちがかかるでしょう。
被害者の方々には一日も長く、日本での平穏な生活を送って欲しいです。
その為にもテレビ局はもっと報道の重要性や責務を考えて世論を盛り上げて欲しいです。