田中実さん金田龍光さん 北朝鮮からの情報は日本政府は拒否していた(R4.9.30)
令和4年9月30日金曜日「荒木和博のショートメッセージ」第899号。
昨日の「調査会NEWS」にも書きましたが斎木昭隆・元外務事務次官のインタビュー(朝日新聞デジタル・9月17日)で政府が北朝鮮から出てきていた田中さん金田さんの生存情報受け取りを拒否したことが正式に認められました。
以下は「調査会NEWS」の内容です。
-------------------- 【調査会NEWS3659】(R4.9.29)<斎木元次官「田中さん・金田さん情報は北朝鮮からもたらされていた」> 荒木和博 報道されていたのが9月17日ですから、半月近く経ってこのように出すのもお恥ずかしいのですが、今日知人から「ストックホルム合意による北朝鮮からの調査報告で田中実さんと金田龍光さんの生存情報がもたらされていたと斎木昭隆・元外務事務次官が話している」と知らされました。 インタビューは朝日新聞デジタル(有料記事)の9月17日付で掲載されたもの。取材は9月14日で、「北朝鮮からは、拉致被害者の田中実さんや知人の金田龍光さんの生存情報が提供されたと報じられています」という質問に対し斎木元次官は次のように答えています。 「北朝鮮からの調査報告の中に、そうした情報が入っていたというのは、その通りです。ただ、それ以外に新しい内容がなかったので報告書は受け取りませんでした」 私が気づかなかっただけかもしれませんが、当時の関係者でこれを公にしたのは初めてではないでしょうか。田中さんと金田さんの情報が北朝鮮からもたらされていたことはこれまでも共同通信が何度も報道していますが、政府が認めることはありませんでした。 短い回答なので、斎木さんがどういう意図で話したのか分かりませんが、本来であればこれだけで1面トップの記事でもおかしくない発言だと思います。朝日新聞はもちろん他のメディアもスルーした理由が分かりません。それとも後追いの報道もあったのに見過ごしていたのか。 いずれにしても、「それ以外」という言い方は、そこだけをとる限り北朝鮮当局が伝えたにもかかわらず、田中さんと金田さんについて無視をしたということです。もちろん外務事務次官だけで決められるわけはないので政府全体としてそう判断したということでしょう。政府はあらためてこのことについて明らかにすべきです。 結局ストックホルム合意というのは「それ以外」の「目玉商品」が出てくれば幕引きをしようとしたのではないか、逆に「目玉商品」がリストに入っていなければそれ以外は事実上見捨てるという判断をしていたのではないかという疑いを持たざるをえません。北朝鮮が返しても良いと意思表示をしたのに日本政府が受け取りを拒否したことを田中さんと金田さんが知ったとしたら、どう思ったのだろうと、何とも言えない思いです。 なお、これに合わせたわけではありませんが、11月2日に東京で田中実さんと金田龍光さんのことをテーマにした演劇「よそのくに」(作・演出 野村勇)が上演されます。お時間があれば二人がどうしているかに思いを寄せてご覧下さい。 http://www.ichikiyo.com/komushi.htm?_... (本作のシナリオは演劇の専門誌「テアトロ」の第33回新人戯曲賞佳作を受賞しています。シナリオをご覧になりたい方にはPDFでお送りします)
荒木さんの29日付のブログにも書かれています。⇩
斎木元次官「田中さん・金田さん情報は北朝鮮からもたらされていた」【調査会NEWS3659】(R4.9.29): 荒木和博BLOG (way-nifty.com)
こちらは朝日新聞の記事ですが有料記事なので途中までしか閲覧できません。
「若狭湾です」 拉致被害者が実感した帰国 斎木・元外務次官に聞く:朝日新聞デジタル (asahi.com)
記事中、タラップから拉致被害者が下りてくる写真で一番上、曽我ひとみさんの方を見ているのが斉木さんです。
下記の朝日新聞GLOBE+の記事には田中さんと金田さんの事が書かれています。⇩
初の日朝首脳会談から20年 北朝鮮の日本人拉致なぜ未解決?知っておきたい三つのこと:朝日新聞GLOBE+ (asahi.com)
ただ記事を全て信じてよいものかどうか、よくわかりません。
金田さんの失踪当時の詳細はこちら⇩
金田 龍光 | 特定失踪者問題調査会 (chosa-kai.jp)