前回に続き関谷シリーズ。今回は鎌倉野菜のおいしさの秘密に迫ります。今年の夏には自宅でキュウリを栽培し、20本くらい育ちました。当然に朝どり直送ですから新鮮です。みずみずしくおいしいのですが、ただ鎌倉野菜のレンバイで買ったキュウリと比べるとちょっと物足りません。レンバイのキュウリの味は濃く感じました。プロが育てた野菜なので当たり前でしょうが、市内のスーパーで買ったキュウリと比べても味が違います。
前置きはさておき、最近数回、鎌倉市北部にある関谷農場に通い、そこで生産される鎌倉野菜を勉強しています。野菜の名前を調べるのはもちろんですが、それだけではもの足らず、そのおいしさの秘密は何か必死に考えました。まず土について、関谷農場の地下には関東ローム層の広がっています。この土壌は保水力があり、水やりの必要がないことはすでに書いた通りです。表土から1~2メートルくらい下の関東ローム層に蓄えられた水は毛細管現象により、吸い上げられ大気中に蒸散しますので、雨が降らず地表が乾いた状態でも、野菜は水分を吸収できます。これが一つ目のポイント。しかしこれだけではミネラル豊富な濃い味にはなりません。
二つ目はこのミネラル。これは関東ローム層が形成された原因にあります。関東南部に広がる関東ローム層は富士山の噴火による火山灰の堆積により作られもの。富士山は6万年くらい前から活動しはじめ、現在は1707年の宝永大噴火を最後に活動を休止していますが、いつ噴火してもおかしくない休火山です。そして関東ローム層は赤土と言われていますが、赤い色は含まれている鉄分が酸化したことによります。いろいろ調べてみますと、この鉄分だけでなく、関東ローム層にはNa、K、Mg、Caなどのミネラル分も多く含まれているようです。このミネラル分の豊富さが濃い味、おいしさの秘密でないかと考えたわけです。
私は専門家ではないので確信はないのですが、目の前の富士山を見ますと、なんとなくそう思えてくるから不思議です。富士山の恵みでおいしい野菜を食べることができる。いいですね・・・。この話は使えそうです。