今回はポルトガルの最南端アルガルヴェ地方のワイナリーであるカーザ・サントス・リマの赤ワインです。この産地のワインはこの銘柄だけ、貴重な一本となりました。また同じワイナリーのものは、フォルティッシモ・ティント、ラブラドール・ティントを飲んでいますが、いずれも日差しの強い南の海に似合うパンチの効いた赤ワインでした。このアルリア・ティントは、カタログの「ポルトガル最南、ビーチで有名なアルガルヴェ地方。豊富な日照時間が育む果実味豊かなフルボディ」とあります。確かに色は濃厚な深紅でこれぞ赤ワインだと主張していますし、飲んでみて喉を通るときに感じる渋み(苦味)も最近は癖になってきました。
さてせっかくなのでアルガルヴェ地方をご案内しましょう。ポルトガルの南の端ではありますが、大西洋に面しており、ユーラシア大陸の最西南端のサン・ヴィセンテ岬があります。この岬の名前の由来は、スペインのバレンシアで殉教したリスボンの守護聖人サン・ヴィセンテの遺体を乗せた船がこの岬に流れ着いたという伝説からです。すぐ目の前はアフリカ大陸なので、この岬を訪れた人は断崖絶壁の上に立ち地の果てに来たことを実感したと思います。この地の果てから、さらに大西洋を渡り南米大陸に辿り着いたり、アフリカ大陸に沿ってインド洋に出て中国や日本まで来たポルトガル人の冒険心?野心?には恐れ入ってしまいます。このサン・ヴィンセント岬には行ったことはありませんが、多分この岬に立てば、こういう妄想をしたと思います。