家内を定期受診のために病院へ連れて行ったら、私を見つけた女性が神妙な顔でペコリと挨拶し、そして手招きをした。
私の元職場の受付事務を担当しているY子だ。
(何だろう・・・、もしかしたら「抱いて」と云うのかも・・・) と少し期待。
急に「抱いて」と云われても、この年だとウォーミングアップに時間が必要だ。
一応ジェームスにも「頑張れるのか?」と確認しなければならない。
廊下の片隅に引っ張って行かれて「絶対に誰にも言っちゃダメだよ」と念を押され 私も 股間に気合をいれた。<(`^´)>
Y子は女子高を卒業してすぐ、男しか居なかった私の所属していた科に配属された。
「男どもには負けない」と 多分緊張の頂点にいた彼女の気持ちを和らげようと思い尻をサッと撫でて「ヨロシク」と云った途端 彼女の回し蹴りが炸裂し私は数センチ ワープした。
以来、彼女には近寄らないようにして遠くからオハナシしていたのだが、どんどん距離が縮まり職場では一番の仲良しになれた・・・と思っている。
職員が亡くなった時、「もし俺が死んだら泣いてくれるか?」と訊いたら
「うん 泣く、絶対泣くから」と言ってくれた彼女。
私が定年前退職を決めた時「まだ辞めちゃダメだよぉ」と云ってくれた。
送別会の席で、皆のいる前で花束を渡されて初めてのハグ。ついでにもう一度尻を撫でようかと思ったが・・・・・それは何とか思い留まった。
そのY子が廊下の片隅で私に囁いたのは「4月で退職します」と云うこと。
「えっ、辞めるの? 何年頑張ったの?」
「28年です・・・・・」
「そうかぁ・・・・・辞めるのか。
尻を蹴られてから もう28年も経つんだね」と云った途端、彼女の表情が申し訳なさそうな、そして懐かしそうな顔へと歪んだ。
「とにかく、よく頑張ったよね。長い間 お疲れ様でした」と告げたのだが
「まだ辞めちゃダメだよ」と云いたくて仕方が無かった。
私の青春が また一つ消えていくような気がするのだ。
そうか・・・・・、あれから28年も過ぎたのか。
彼女は今でも私との約束を覚えていてくれるだろうか。
「うん 泣く、絶対 泣くから」と言ってくれたことを。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★昨春の車中泊旅 (前回の続き) 備中 吉備津神社・国分寺 編
備中一之宮 吉備津神社へは二度目の参拝だ。二度目ともなると駐車場の位置も覚えていて迷わずに石段を上がれた。
以前は ただ歩き回っただけだったが、今回は全国で唯一「吉備津造り」と云う様式の社殿をじっくり眺め、長い回廊もきちんと歩いた。
夕暮れが迫って来たので、備中国分寺へ急いだ。今夜は 近くの駐車場で車中泊の予定だが、駐車場が無料で使えるのかも確認しなければならない。
吉備路のシンボルである五重塔は、さすがに美しく周囲の風景とマッチしていた。
畑の中を急いで歩き 沈む太陽との競争だ。
今にして思えば、夕暮れの五重塔とコラボして撮ったらよかったのにと思うのだが、この時には とにかく「暗くなる前に」と云うことしか考えていなくて、
それが今になって悔まれてならない。
私の元職場の受付事務を担当しているY子だ。
(何だろう・・・、もしかしたら「抱いて」と云うのかも・・・) と少し期待。
急に「抱いて」と云われても、この年だとウォーミングアップに時間が必要だ。
一応ジェームスにも「頑張れるのか?」と確認しなければならない。
廊下の片隅に引っ張って行かれて「絶対に誰にも言っちゃダメだよ」と念を押され 私も 股間に気合をいれた。<(`^´)>
Y子は女子高を卒業してすぐ、男しか居なかった私の所属していた科に配属された。
「男どもには負けない」と 多分緊張の頂点にいた彼女の気持ちを和らげようと思い尻をサッと撫でて「ヨロシク」と云った途端 彼女の回し蹴りが炸裂し私は数センチ ワープした。
以来、彼女には近寄らないようにして遠くからオハナシしていたのだが、どんどん距離が縮まり職場では一番の仲良しになれた・・・と思っている。
職員が亡くなった時、「もし俺が死んだら泣いてくれるか?」と訊いたら
「うん 泣く、絶対泣くから」と言ってくれた彼女。
私が定年前退職を決めた時「まだ辞めちゃダメだよぉ」と云ってくれた。
送別会の席で、皆のいる前で花束を渡されて初めてのハグ。ついでにもう一度尻を撫でようかと思ったが・・・・・それは何とか思い留まった。
そのY子が廊下の片隅で私に囁いたのは「4月で退職します」と云うこと。
「えっ、辞めるの? 何年頑張ったの?」
「28年です・・・・・」
「そうかぁ・・・・・辞めるのか。
尻を蹴られてから もう28年も経つんだね」と云った途端、彼女の表情が申し訳なさそうな、そして懐かしそうな顔へと歪んだ。
「とにかく、よく頑張ったよね。長い間 お疲れ様でした」と告げたのだが
「まだ辞めちゃダメだよ」と云いたくて仕方が無かった。
私の青春が また一つ消えていくような気がするのだ。
そうか・・・・・、あれから28年も過ぎたのか。
彼女は今でも私との約束を覚えていてくれるだろうか。
「うん 泣く、絶対 泣くから」と言ってくれたことを。
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★昨春の車中泊旅 (前回の続き) 備中 吉備津神社・国分寺 編
備中一之宮 吉備津神社へは二度目の参拝だ。二度目ともなると駐車場の位置も覚えていて迷わずに石段を上がれた。
以前は ただ歩き回っただけだったが、今回は全国で唯一「吉備津造り」と云う様式の社殿をじっくり眺め、長い回廊もきちんと歩いた。
夕暮れが迫って来たので、備中国分寺へ急いだ。今夜は 近くの駐車場で車中泊の予定だが、駐車場が無料で使えるのかも確認しなければならない。
吉備路のシンボルである五重塔は、さすがに美しく周囲の風景とマッチしていた。
畑の中を急いで歩き 沈む太陽との競争だ。
今にして思えば、夕暮れの五重塔とコラボして撮ったらよかったのにと思うのだが、この時には とにかく「暗くなる前に」と云うことしか考えていなくて、
それが今になって悔まれてならない。