ついに その日がやつて来た。
病み上がりの身体で出掛けたのは、店の様子を記憶に留めたいからだ。
閉店セールの店内は多くの人が動き回っているのに空気が重い。
元気良く一生懸命声を上げる店員さんの笑顔が何処となく哀しげだ。
あと数時間で、この喧騒も終わりを告げる。
37年頑張って来たらしい。
と云うことは私が33歳の時に開店したと云うことになる。
もっともっと子供の頃から通っていたように思っていたけれど記憶違いだったようだ。
もう二度と食べられなくなる惣菜を手にレジ待ちの列に並んだ。
当然だが、会計をしても「また宜しく」の声は無い。
一歩一歩踏み締めるように階段を上がり屋上の駐車場へ出た。
そう云えば、花火をこの上から見たこともあったっけ。
また一つ、この街の歴史が姿を消した。
病み上がりの身体で出掛けたのは、店の様子を記憶に留めたいからだ。
閉店セールの店内は多くの人が動き回っているのに空気が重い。
元気良く一生懸命声を上げる店員さんの笑顔が何処となく哀しげだ。
あと数時間で、この喧騒も終わりを告げる。
37年頑張って来たらしい。
と云うことは私が33歳の時に開店したと云うことになる。
もっともっと子供の頃から通っていたように思っていたけれど記憶違いだったようだ。
もう二度と食べられなくなる惣菜を手にレジ待ちの列に並んだ。
当然だが、会計をしても「また宜しく」の声は無い。
一歩一歩踏み締めるように階段を上がり屋上の駐車場へ出た。
そう云えば、花火をこの上から見たこともあったっけ。
また一つ、この街の歴史が姿を消した。