「お父さん、右の目が変じゃない? 違和感無いの?」と突然云われて鏡を見た。
確かに数日前 違和感があったが今は何も感じていない。
鏡で見ると爺化し垂れた右の瞼が少し腫れているように見える。
それで確か何処かにあったはずの抗生物質入の目薬を探し出した。
容器は普通の目薬とは違い一回分ずつ小さなプラ容器に数滴分入っていて、使い捨てだ。
自分で目薬をさしてもきちんとできる自信が無いので、風呂上がりにルンバへ目薬を渡してお願いをしたのだが、私か瞼を広げて薬が落ちて来るのを待っていても、なかなか落ちてこない。
目の前に目薬がぼんやり見えるがポタッが無い。
オイオイ、どうしたんだ・・・・・・と思ったときに、やっとポタッと最初の一滴。
(やっとかぁ)と思ったのだが、その一滴は目に入らず、瞼の上から何処かへ流れていった。
「そこじゃなくて眼に入れて」と云うのだが、同じように2滴目が続かない。
ギュッと握れば良いだろうと思うのだがいつまで経っても落ちてこない。
瞼を広げながらドキドキして待つ時間の長さ。
ついに私はキレタ
「こんなに鈍くさいとは思わなかった」と目薬を取り上げ、勇気を振り絞って自分で入れた。