3日ほど前に写真展へ行ったことを書いたが、その1Fにあった古書店が気になって仕方がない。
古書店と云えば、私が利用するのは Book Off ばかりで、そこに無い新書は大型書店で買うことが多い。
しかし前述の古書店には全てが昭和的な独特の風情があり、レトロ感満載なのだ。
初めての店内へドキドキしながら入ると、微かに聞こえる「いらっしゃい」の声。
見上げると、まるで風呂屋の番台のように一段高くなった場所に人が居て、彼の周りは高く積まれた本の山。
まるで城郭の石垣のような中にいるのは店主? いや城主?
狭い通路の左右にはギッシリと隙間なく積まれた古書が行く手を阻む迷路を構築していた。
そして奥には一人、数冊の本を手に持った先客が居てドキッ。
本は著者のアイウエオ順に並んでいるようだが、原田マハが見つからない。
私は迷路を戻って番台の上の城主?に「原田マハさんの本は無いみたいですね」と云った途端、彼は一瞬で消え何処かから飛び降りたのか突然目の前に現れた。
忍者か・・・・・と、突っ込みたくなったが、彼の動きは速い。高い石垣の壁を見ながらサササッと消えたと思ったら一瞬で戻り、今度は文庫では無いコーナーを目指して奥へ消えた。
結局、「時々入るんですけれど無いみたいですねぇ」と云われ、何処から上がったのか、また番台の上にスッと現れた城主、と云うより忍者。
私は懐かしい隠密剣士に登場した忍者、霧の遁兵衛を見られた気分でとにかく嬉しくて楽しくて、また来ようと思ったのは間違いない。