雲が次々と形を変えて流れ去る。
植えられているシャクナゲの細い枝が小刻みに身を震わせている。
少し風が強いようだけれど気合いを入れてウォーキングに出た。
道幅の広い国道に出ると、風はその攻撃を強め私を家へ押し戻そうと企む。
気弱な私は少し迷ったものの検査結果の数値を思い出して歩幅を広げて抵抗を繰り返した。
平地の雪はいつの間にか全て消え、枝葉の支流がいつもの心細い流れに戻っていたが、遠くに見える阿寒の峰には未だ雪が残り冬山の名残を見せている。
草むらを見るとフキノトウが顔を並べ、アスファルトの上を気の早いアリがチョロチョロと動いている。
それを踏まないように歩き、丁度青信号に変わった方向に交差点を曲がった。
草原の先に見えるのは釧路高専の校舎。新コロナで「密」を避ける為に授業が行われていないのかテニスコートやグラウンドに人の姿は無い。
聞こえるのは電線に切り裂かれた風の音だけだ。
自分が枯れていることを知らないカシワの葉が枝にしがみついたまま冬を越していた。
草むらの中で動いたのは、キタキツネだ。
誰もがせっかく得た命を永らえようとしがみついている。
私も下り坂を利用して少しだけ走ってみることにした。
実は自分でも違和感を感じていました。
でも脳がフキノトウを思い出してくれないのです。
早速訂正します。
ありがとうございます。