「ねぇ、今朝は寒かったよね、寒かったでしょう」
こう念を押すのは、自分の感覚に自信が無いからだ。
「お父さんの入った風呂は熱すぎる」と非難を浴びてからジジイの皮膚感覚は衰えているのだと実感した。
考えてみると子供の頃行った銭湯のお湯は とんでもなく熱くて、平気な顔をして浸かっているジジイが化け物に見えたものだ。
今日は、いや今日も寒い。皆が寒いと云うのだから間違いなく寒い。
寒いだけなら頑張ってウォーキングに出るのだけれど、風が吹くと鼻毛が凍る程になる。
それでも頑張って歩いている人はいるのだが、根性ナシの私はここ数日は暖房の効いたビルの階段上りを選んでいる。
昨日「まなぽっとの階段を上がってくる」と云ったら、珍しくルンバも同行を申し出た。彼女も寒くてここ数日歩けなかったのが気になっていたのだろう。
「ゆっくり急がずに一段 一段上がると 何とか頑張れるよ」とコツを伝授したのだけれど、3F手前で後ろから「キツイよ」と悲鳴が上がった。
私は足に力を入れた時に、思わず漏れた気体のことかと勘違いしたのだが、どうやらギブ宣言だったらしく、3Fのロビーの方向へと彼女は戦線離脱。
私は孤独の戦いを続けて何とか10Fの展望室に着いたのだが、息を整えている時ガラスに反射した人影にギョッとしていると、何とそこにはルンバの姿。
エレベーターで上がって来たのかと思ったのだが、3Fから気を取り直して頑張ったとのこと。
下りも階段を使い、違う筋肉を鍛え、翌日の今日はチョット辛いと云っていた彼女。
今日は「まなぽっと」が休館日なのでR病院の階段を上がると云ったら、気合を入れて今日も同行した。
ご褒美に、イオンの「銀だこ」へ行ってみたが平日の今日も6人の行列。私は諦めてスルーしたのに彼女は迷わず行列の後ろに並んだ。
仕方なく私も付き合い20分程待って念願のたこ焼きとお好み焼きを手に出来たのだけれど、これが今日の夕食になるとは思わなかった。