高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

私の恩人

2014年06月04日 05時36分56秒 | 職人仲間

6月3日から8日まで、別府伝統産業会館で「初夏を彩る花あそび」という展示が行われています。
生け花一葉会のメンバーが、竹篭にお花を生けています。
私の妻も、この一葉会の一員ですので、月曜日に生け込みにやってきました。

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私の所からの篭も沢山、生け込みをして貰っています。

花を活けてこその花籠ですから・・・・

賑やかな女性陣に交じって、一人雰囲気の違う人が混じって居ます。
その人こそ、「私の恩人」油布昌伯さんです。

生け込みが終わってから、一緒に食事行きました。

Img_0397 竹の荒編み篭の第一人者の油布さんです。油布さんの作る花籠は、誰にも真似することの出来ない、油布さん独自の世界感があります。
今から25年ほど前、私は荒編みの技法をマスターしたくて、油布さんの所で荒編みの勉強をさせて頂きました。とても、とても、同じような籠を作る事は出来ませんが、荒編みのエッセンスを、自分の篭に取り入れる事が出来ました。
竹細工を初めて、間もない頃で、この荒編みの技法によって、どれほど作品に広がりを持たすことが出来たのでしょう!

本当に、油布さんのお蔭で、竹細工を30年も続けてこられたと思います。

油布さん自身は、家業の竹細工を継ぎ、子供の頃から竹篭を作らされていたと、言いますから、この道60年の大ベテランです。

「竹に生き、竹に死す。」そんな言葉が油布さんには似合います。
今でも、毎日、夜9時くらいまで、作業場で籠作りをしていると言います。
「え~~~、晩酌した後も作業するのですか?」と聞くと、
「なんか、竹を触っていると、落ち着くんじゃ~」と、仰る。

この黄金の腕一つで、世界の何処に行っても、油布ワールドを創り出す人です。
私の尊敬する、そして大好きな師匠です。


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