Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

Hurricane Dorian

2019-09-05 19:04:43 | Life in USA by Tak

9月に入り、サバンナにもハリケーンシーズンがやってきました。日本でも報道されたハリケーンドリアンは、バハマ諸島を壊滅的状況にした後、速度を落としてフロリダ半島に沿って北上、9月5日にはサバンナ沖を通りノースカロライナに上陸する見通しです。写真のように、サバンナは直撃を免れ、ほとんど被害もなくよかったのですが、バハマ諸島やフロリダ、これから向かうノースカロライナでは相当な被害が出ており、またこれから予想され、被災地の皆さんの無事を祈るばかりです。

今回、このハリケーンがサバンナを含む、ジョージア州沿岸部に接近する予防が出た段階で、8月29日に州知事が非常事態宣言を沿岸部の市町村(カウンティーと言います)に出しました。非常事態宣言というとなんだか物騒な感じですが、実際にハリケーンが接近した場合、交通の遮断を行ったり、被害が出た場合の私有地への立ち入りを認めるなど、連邦法を超えて、現場で機動的に対処するための措置で、悪用されなければ良い考え方だと思います。9月2日には、サバンナを含む沿岸カウンティーに、強制避難命令が出されました。南北に走る95号線より東の住民は、それより西に避難しなければなりません。Takのアパートは、この95号線のちょうど西にあり、避難の必要はありませんでした。このハリケーンは、最大風速140mphとありますが、時速140マイル、日本風に言えば、秒速62mの風が吹くため、危険であることに加え、気圧、風の方向、干満などの要素で海面を大きく押し上げます。実はこれによる洪水の被害が大きく、事前に海岸付近の住民を非難させるというのが趣旨です。今回はカテゴリー3と、大きさからいうと上から3番目ですが、危険なハリケーンであることには変わりありません。予想では、11ft、3mの高潮でした。アメリカの海岸部は、湿地帯であることが多く、その中に住宅地が広がっています。当然、ゼロメートル地帯ですから、ちょっとした高潮でも多くの住民が孤立します。もっと地球温暖化に気を使った方が良いのですがね。この強制避難命令に伴い、驚いたことに、高速道路の両車線同じ方向、という措置が取られました。東の住民が西に避難する混雑を緩和するため、西向きの高速(I16)の上りも下りも西に向ける措置です。中央高速の上り車線も甲府方面に変えてしまうようなものですね。これは、日本でも準備しておいた方が良いのではと思います。例えば、お盆や正月の一定期間は一方通行にするとか・・。問題大有りですが。実際にどう運用されるのかは不明ですが、アメリカでは一般的のようで、平気で反対車線を逆走するようです。

9月3日には、サバンナ市街に夜間外出禁止令が出ました。やることが徹底しています。夜出歩いて、見つかったらどうなるのかは分かりませんが、確かにテレビでは誰も歩く姿は見られませんでした。そして、交通規制や高速道路の一方通行などでGoogleマップにもしっかりサインが出ます。多くの住民は、知人や親戚を尋ねたり、ホテルをとって避難したりしますが、もちろん、それができないお年寄りや、体の不自由な方、経済的にできない家庭には、シェルターが用意され、数日前から市の職員や関係機関の職員が誘導します。アメリカには州兵制度があり、州にもちゃんと軍隊があり、ここも災害に備えて準備万端です。

極め付けは、ペットのシェルターがきっちり用意されていることでしょう。サバンナ市街の南だけでも4箇所のシェルターがあります。こちらでもペットは家族、ペットと言っても犬猫だけではなくて、馬もいますから大変です。今回のハリケーンは、サバンナからは遠く離れて通過してくれて、自宅や会社関係でも被害はなく、良かったです。今週月曜日はレイバーデー(勤労感謝の日)で休日でしたが、火曜から木曜日まで、非常事態宣言、強制避難命令で仕事に出かけることができず、ずっと自宅待機でした。これはTakのアパートのみなさんもまた同じで、周りはなんだか休日のようでした。特に火曜日などは、天気も良くプールも大賑わいと、何故ここにいるのか?というような塩梅でした。ハリケーン慣れ、とは言いませんが、このような事態に対する対応は、自治体、住民も、それはよくなれているのと同時に、システムも良くできており、驚くことばかりです。軍事大国すなわち非常時への対応、とは思いたくありませんが、先を見越した、現実的な対応と準備、弱者への配慮、という点で、日本も学ぶべき点が多いと思います。