■多角化戦略と範囲の経済
●多角化戦略
とは、事業を関連領域、または無関連領域に拡大し
て、成長を追及していくこと。
●範囲の経済
とは、経営資源の多重利用が可能となる関連事業
へ多角化することでコストを低減していくこと。
⇒ これまでの研究により、事業を多角化する場合
には無関連型多角化戦略より、関連型多角化戦略
の方が経営資源の多重利用により範囲の経済を
追求できるために経営成果が高いことが明らかとなっている。
■プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
とは企業の多角化した製品や戦略事業単位を
市場成長率の高低、相対的市場シェアの高低二
次元に分けてマトリックス上にプロットし、企業の
全体像を一目で把握できるように表現したもの。
投資対収益を評価し最適資源配分を達成するため
に用いる管理方法。
●市場成長率・高 相対的市場シェア・高⇒花形
●市場成長率・低 相対的市場シェア・高⇒金のなる木
●市場成長率・高 相対的市場シェア・低⇒問題児
■市場における地位別競争優位
●リーダー
市場シェアトップを維持し、最大の資源を有し、
独自性の高い能力を蓄積している企業である。
常にその地位はチャレンジャーに狙われている。
その市場を作り出した企業の場合が多い。
●チャレンジャー
リーダーに比べ独自能力は低いが肩
を並べるほどの経営資源を有している
企業である。トップシェア争いができる
ほどの意欲とチャンスを有する。
●ニッチャー
上記の二社ほど経営資源や意欲を持た
ないが何らかの他社が模倣困難な独自
能力を有しており手堅いシェア有してい
る企業。この独自性がフォロワーより
競争地位が高い理由である。
●フォロワー
経営資源も独自能力もなく何よりまず
利潤獲得を目標に独自能力を開発し、
ニッチャーを目指すか、リーダーや
チャンレジャーの模倣化を図り、
経営資源や独自能力を蓄積することが必要。
■バーニーの資源ベース戦略とポーターの
ポジショニング戦略
●資源ベース戦略
とは、持続的競争優位を達成するために自社
の強み弱みを経営資源をベースに捉え、「いか
にして資源をを入手し得るか」を分析する方法
でバーニーの戦略論の考え方。
企業の内部資源を
①価値②希少性③模倣困難性④組織の
問題に分けて検討するフレーム・ワーク、VRIOが代表的。
●ポジショニング戦略
とは、市場において「企業がいかにして競争
優位的地位を確立できるか」を企業の参入機会
や脅威に焦点を当てて分析する方法でポーター
の戦略論の考え方。
市場を①供給業者の交渉力
②買い手の交渉力
③新規参入の脅威
④代替品の脅威
⑤業者間の敵対関係
の構成要素に分けて自社の現在、
将来のポジショニング
を考える5つの力分析が代表的。
⇒二つの戦略の関係:企業内部の
S(強み)W(弱み)を分析する場合
資源ベース、外部分析には
O(機会)T(脅威)ポジショニングの分析をする、
・・・SWOT分析
この二つは相互補完関係
●市場成長率・低 相対的市場シェア・低⇒負け犬
として、
金のなる木で生んだ資金を問題児に投入しこれ
を花形に育て、次世代の金のなる木を目指す。
負け犬から少しでも多くのキャッシュ
を得てから撤退するような事業再編成を行い、
投資の選択と資金集中を判断する。