皆さん、こんにちは!
高井良ゼミのたかいらです。昨日の河村さんに続いて、連日の投稿になります。
関東は暑い日が続きますね。九州の大雨にも心を痛めております。どこに住んでいても安全とはいえない時代になりました。皆さまもどうぞお気をつけてお過ごしください。さて、今週(7/12(火))の高井良ゼミでは、Starterが三巡目に入り、本の紹介となりました。トップバッターの私が紹介した本が、ヨハン・アモス・コメニウス著の『世界図絵』です。
ヨーロッパの民衆を絶望の底に落とした30年戦争のさなか、ボヘミア(現在のチェコ)の司祭であったコメニウスは、自らの妻子も戦争で失います。戦争は民衆の無知から生まれると考えたコメニウスは、教育に平和の希望を託します。そして、すべての子どもたちに対する教育、すなわち普通教育の理念を提唱し、世界ではじめての絵入り教科書と呼ばれる『世界図絵』を執筆、刊行したのです。
『世界図絵』が扱っているテーマは、自然、動物、植物、人間の身体、心から正義、平和、愛などの理念にまで及んでいます。子どもたちに母国語と絵を用いて、神の恩寵によるこの良き世界を伝えようとしたコメニウスの思いは、今、世界の子どもたちが学ぶ「公教育」に引き継がれています。
皆さんもぜひ『世界図絵』を繙いて、学校の原点となったコメニウスの愉しさを伴う、崇高な思いを共有していただけたらと思います。
このあと、桜井厚・小林多寿子編著『ライフストーリー・インタビュー』せりか書房、を読みました。ゼミ生の質問に応答するかたちで、ライフストーリーの方法論の本を読むことで、私たちがゼミでやってきたことの意味が、より明確なものになったように思います。インタビューを行うなかで、問い自体が組み替えられていく。ライフストーリー研究には、このようなゆるやかさがあります。今年のインタビューでも、その過程で新たな問いが立ち上がってくることを、楽しみにしています。
大学の前期の授業も、来週で終わりです。時間が経つことのあまりもの速さに、驚かされます。
初期のゼミ生とも会いたいなと思っている今日この頃です。
それでは皆さん、よい夏をお過ごしください!