皆さん、こんにちは!
再び、私が登場することとなりました。本来ならば「たかいらゼミ2016」の4番主砲の佐野さんが登場する番でしたが、名誉の負傷のため、私がピンチヒッターとなった次第です。
今回からゼミのShow & Tellは三巡目に入ります。ということでテーマは読書としました。本の紹介をしながら、自分のワールドを語っていきます。私の一冊はあの内村鑑三の名著『後世への最大遺物・デンマルク国の話』(岩波文庫)です。大学時代に購入して何度も読み返した本なので、色褪せています。定価250円というのも時代を感じさせます。あの頃は、岩波文庫が自分の書棚に増えていくのが楽しみでした。
さて、『後世への最大遺物・デンマルク国の話』は一高の校長を務めていた内村鑑三が学生に語りかけた講演録です。「後世への最大遺物」は次のようなメッセージです。私たち人間がたまたま生を受けて、この人生を生きることになった以上、何かをこの世の中に残したい。それでは、どんなものを残すことができるだろうか。ということで、内村先生は、富、事業、思想を挙げます。だが、これらを残すことができるのは何かに恵まれた人のみでしょう。しかし、すべての人が残せるものがあります。それは偉大な人生であると、内村先生は語ります。私もこれまでの人生において、偉大な人生を生き抜いた名もなき方々と出会ってきました。そのような人々の生きざまは、私の心の支えになっています。生きるということ、そのことのなかに大きな価値があるのです。
そして、「デンマルク国の話」は富国強兵を目指していたデンマークが隣国との戦争に敗れ、その国土の大半を失ってから、国の進路を180度転換し、酪農を土台とした平和国家の構築を目指し、人々の幸福度の高い国を実現したという話です。当時、富国強兵を国策とし、アジアへの進出を目論んでいた明治政府への警鐘でありました。その後の大日本帝国は、内村先生が危惧した通り、軍事大国への道を邁進し、最後は多くの国民と多くの他国民を死なせて、焦土を招きました。戦後は平和憲法の下で日本国として新しい出発をしましたが、今、危険な道に戻ろうとしています。国家が富んでも国民が疲弊していてはどうにもなりません。「デンマルク国の話」は、今こそ読まれるべきメッセージだと思われます。
ということで、本の紹介を行ったあと、戦後史の年表作成と『生きて帰ってきた男』の輪読を行いました。シベリアから生きて帰ってきた小熊謙二さんは、帰国してからも苦労の連続です。考えてみますと、戦後の女性の苦労は、NHKの朝ドラで繰り返し放映されていますが、戦後の男性の苦労はあまり語られてこなかったような気がいたします。男女ともに苦労をした敗戦後の日々、私たちもこのことを忘れないようにしていきたいと思います。
それでは、次のライターは、「たかいらゼミ2016」紅一点の小宮さんです。本の紹介、抜群に面白かったです。よろしくお願いします!
再び、私が登場することとなりました。本来ならば「たかいらゼミ2016」の4番主砲の佐野さんが登場する番でしたが、名誉の負傷のため、私がピンチヒッターとなった次第です。
今回からゼミのShow & Tellは三巡目に入ります。ということでテーマは読書としました。本の紹介をしながら、自分のワールドを語っていきます。私の一冊はあの内村鑑三の名著『後世への最大遺物・デンマルク国の話』(岩波文庫)です。大学時代に購入して何度も読み返した本なので、色褪せています。定価250円というのも時代を感じさせます。あの頃は、岩波文庫が自分の書棚に増えていくのが楽しみでした。
さて、『後世への最大遺物・デンマルク国の話』は一高の校長を務めていた内村鑑三が学生に語りかけた講演録です。「後世への最大遺物」は次のようなメッセージです。私たち人間がたまたま生を受けて、この人生を生きることになった以上、何かをこの世の中に残したい。それでは、どんなものを残すことができるだろうか。ということで、内村先生は、富、事業、思想を挙げます。だが、これらを残すことができるのは何かに恵まれた人のみでしょう。しかし、すべての人が残せるものがあります。それは偉大な人生であると、内村先生は語ります。私もこれまでの人生において、偉大な人生を生き抜いた名もなき方々と出会ってきました。そのような人々の生きざまは、私の心の支えになっています。生きるということ、そのことのなかに大きな価値があるのです。
そして、「デンマルク国の話」は富国強兵を目指していたデンマークが隣国との戦争に敗れ、その国土の大半を失ってから、国の進路を180度転換し、酪農を土台とした平和国家の構築を目指し、人々の幸福度の高い国を実現したという話です。当時、富国強兵を国策とし、アジアへの進出を目論んでいた明治政府への警鐘でありました。その後の大日本帝国は、内村先生が危惧した通り、軍事大国への道を邁進し、最後は多くの国民と多くの他国民を死なせて、焦土を招きました。戦後は平和憲法の下で日本国として新しい出発をしましたが、今、危険な道に戻ろうとしています。国家が富んでも国民が疲弊していてはどうにもなりません。「デンマルク国の話」は、今こそ読まれるべきメッセージだと思われます。
ということで、本の紹介を行ったあと、戦後史の年表作成と『生きて帰ってきた男』の輪読を行いました。シベリアから生きて帰ってきた小熊謙二さんは、帰国してからも苦労の連続です。考えてみますと、戦後の女性の苦労は、NHKの朝ドラで繰り返し放映されていますが、戦後の男性の苦労はあまり語られてこなかったような気がいたします。男女ともに苦労をした敗戦後の日々、私たちもこのことを忘れないようにしていきたいと思います。
それでは、次のライターは、「たかいらゼミ2016」紅一点の小宮さんです。本の紹介、抜群に面白かったです。よろしくお願いします!