『コーダ あいのうた』予告編<U-NEXTで好評配信中>
「コーダ あいのうた」を数日前にアマゾンプライムで見た。昨年のアカデミー賞で気になっていた作品だ。見てみると他の作品は、この作品には敵わないなと思った、良い映画でした。
フランスの映画祭で4冠取ったというのもうなづける内容でした。ちなみにタイトルの「CODA(コーダ)」とは、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」とのこと。音楽では演奏記号(終結部)で有名ですね。
なんといっても俳優が聴覚障害者であるということが感動する。
アカデミー賞®の前哨戦ともいわれるサンダンス映画祭で、史上最多4冠に輝き、世界を沸かせた〈必見の1本〉。その日、この映画が上映されるや、各国のバイヤーが配給権に殺到。サンダンス映画祭史上最高額【約26億円】で落札されたことも大きなニュースになった。 主人公のルビーには、大ヒットTVシリーズ「ロック&キー」で一躍人気のエミリア・ジョーンズ。共演は『シング・ストリート 未来へのうた』の主役でも話題のフェルディア・ウォルシュ=ピーロ。ルビーの家族を演じるのは、オスカー女優のマーリー・マトリンを始め全員が実際に聞こえない俳優たち。そのキャスティングにこだわったのは、若き実力派監督シアン・ヘダー。 抱き合い支え合っていた家族が、それぞれの夢に向かって歩き始めることで、さらに心の絆を強くする──熱く美しい瞬間を共に生き、あなたの〈大好きな一本〉になる、爽快で胸熱な感動作。
家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズがルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害のある俳優たちがルビーの家族を演じた。監督は「タルーラ 彼女たちの事情」のシアン・ヘダー。タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になった。
特に、感動したのは下にあるように聴覚障害者の描き方。そう彼らは健常者と全く同じように普通の生活をしているのだ。健常者としては、ついつい、そのように我々と同じ生活を、良いことも悪いことも同じようにして楽しく暮らしているということを忘れて、何か特殊な生活をしていると思ってしまうのだが、その辺りが普通に描かれているのが好感が持てる。感動の映画でした。
これは戦争にについても言える。下の私のブログにも書いたが、桜木武史さんという方が書いた本でわかるように、戦争している国は、年中皆が戦争していると思ってしまうが、実はそこには日常生活があるんですよね。スーパー行って食品を買って、食事をしたり、お茶を飲んだり、雑談したりという日常がゼロではない、ただ違うのは突然その場所で戦闘が始まるということ。
まあ、われわれは、当事者のことはわからないという謙虚さを忘れてはいけないですね。
元になったフランス映画「エール!」でも共通しているのが障がい者の描かれ方。性に対してあけすけで、無理を承知で主張を押し通し、Fワードも使えばナンパもする、見栄を張って自分を盛ってみせるなど、これまでにはなかった自由で個性的な人物たちが魅力的だ。
何よりもテレビなどのニュース報道などでは知り得ない、シリアの人びとの声というか息遣いが伝わってくることだろう。戦乱の中でひたすら生活を続ける人々。宗派は違うものの、多くの人びとがイスラム教徒としてモスクへ通い、祈りとともに、政治的な声を上げる。
それにしても聴覚障害者の俳優もすごいけど、主演のルビー役のエミリア・ジョーンズの演技もすごい。今後注目ですね。
興味深い映画でした。