ケンのブログ

日々の雑感や日記

名古屋フィルハーモニーの定期演奏会を聴きに行く。

2023年07月10日 | 音楽
7月8日 名古屋フィルハーモニーの514回定期演奏会を聴きに行く。

指揮はジェフリーパターソンさん。

最初に演奏されたのがラヴェルのスペイン狂詩曲。

今年は なぜかラヴェルを聴く機会が多いなと思う。

中学生や高校生のころベートーヴェンやブラームスなどドイツの音楽を中心に聴いていて 大学生になってラヴェルの音楽を聴き始めたころは なんだか ドイツの音楽に比べるともわーっとした音楽だなあと思っていた。

最近では もうそういう印象はなく ラヴェルの音楽は明晰というか 十分に親しみを持てるものだと思える自分がいる。

慣れというものだなと思う。

名古屋フィルハーモニーの演奏もなんだか安心して聴いていられるものだった。

プロのオーケストラってやっぱりうまいなあと思う。

次に演奏されたのがカニサレスの地中海協奏曲

ギター独奏もカニサレスさん。

地中海ではこんな感じで風が吹くのだろうか と思ったり 地中海の夕暮れはこんな感じなのだろうかと思ったり 地中海沿岸の街角では こんな感じの音楽がごく自然に流れたり演奏されたりしているのだろうかと思ったり いろんなことを思いながら演奏を聴いていた。

また 僕が 時々行くサロンで ボサノバとかをよく流しているサロンがあって そこのサロンのことを思い出したりもしていた。

カニサレスさんが力強く活き活きと演奏されているのに 軽々とひいておられるように見えるのも印象的だった。

カニサレスさんは アンコールもしてくださった。

最初 アルペジオがなったので おお こんな風にアンコール曲は始まるのかと思って息を飲んだら それは 単なる 音合わせに アルペジオを弾かれただけで 本当の演奏はそのあとだった。

それを聴いていて 協奏曲を聴いているときから どうも 音の出どころが ちょっと不思議だなと思っていたことの謎が解けた。

それは どういうことかというと 僕は 上の方の席で聴いていたのだけれど ホールの天井近くのスピーカーから音が聴こえてきた。

そうか マイクロフォンで音をとって スピーカーからも流しているのかと思った。

スピーカーから音を出すなんてずるい というのは 浅はかな 考えで あれだけ広いホールで 自分の楽器から出る音と 遠くのスピーカーから出る音 それに オーケストラの音と 三つの音を意識しながら 軽々と演奏できるのは 並大抵の音感ではないと思った。

ただ、 どこか サロン音楽のようだ と感じた理由も スピーカーからの音と楽器から出る音がミックスされていることもその一因なのだろうとその時思った。

20分の休憩を経て つぎに演奏されたのがラフマニノフの交響曲第3番

僕がこの曲をCDで初めて聴いたのは意外と最近のことでつい5年ほど前のことだと思う。

当時 僕が通っていた歌声教室のピアノの先生が あるホールでラフマニノフの 交響的舞曲をピアノの連弾で演奏されたのを聴いて 素晴らしいと思い ヤンソンス指揮のオーケストラバージョンのCDを買ったら そのCDには 交響的舞曲と交響曲第3番が入っていた。

そしてこの交響曲第3番を生演奏で聴くのは7月8日の名古屋が初めてだった。

前半で ラヴェル そして地中海協奏曲とラテン系の音楽を聴いていると 素晴らしいと思う気持ちと どこか 僕のような日本人にとっては 異国的なものだなと思う気持ちが相半ばする。

そしてラテン系の音楽を聴いた後でラフマニノフのようないわばスラブ系の音楽を聴くと なんだか 気持ち的にとても共感できるものが多いなと思う。

美しいなと思う気持ちが心の中で強くなってくる。

心が慰められるよう気持ちになったりもする。

あと 聴きなれたピアノ協奏曲2番や 3番のオーケストラ部分と 共通するような 音楽語法もしばしば出てくる。

ラフマニノフって 確固とした個性を持っていた人なんだなとそんな時に思う。

この時代の音楽にはよく見られることだけれど どこか 映画音楽のようと思う場面もあった。

指揮のジェフェリーパターソンさんは 指揮姿を見ていると 何となく 堅実そうで誠実そうな雰囲気が出ていて よかった。

いい演奏会だったな。

行くことができて よかった。

それはともかく 一日いちにち無事でありますようにそれを第一に願っていきたい。



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