硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

オートリバース。

2013-03-04 21:11:01 | 日記
カセットデッキにオートリバース機能が付いた時、僕は驚きと共に嬉しさを感じていた。それまではカセットのA面が終わると一度カセットを取り出しひっくり返して差し込み再び再生ボタンを押すという大変めんどくさい工程があったが、オートリバースの登場と共にオールドタイプは姿を消した。僕自身もオートリバース付きのラジカセを購入しカチャッという音と共に反転再生される瞬間のあの喜びは今でも覚えている。当時は本当に画期的な機能であった。

あれからウン十年。今やmp3の時代である。あんな小さなマシンに千曲近い音楽が入ってしまい、なおかつ好きな曲を小さなスイッチ一つで選び出し再生できるのだから本当に便利になったなと感心することしきりである。

さて、ビックリする話であるが、そんな時代であっても職場のラジカセはオートリバース機能が付いていないのである。(苦笑)
職場の青年が(23歳)が、片面終わるごとにカセットをひっくり返しては再生しているので不思議に思い

「それって、オートリバース機能が付いてないの?」と聞くと、青年に

「オートリバースってなんですか?」と尋ね返されたのだった。その時、僕は激しい衝撃を受けた。

確かに、平成元年生まれの青年がカセットテープをガチャガチャする事の方が珍しい光景。
なんと言ってもスマホで音楽を聴く世代であるし、彼らの音楽再生方法の記憶はCDから始まっているのである。

とりあえずオートリバース機能の説明をするも、それに何の意味があるのだろうかという気持ちが頭を過ぎる。
あれほど感動した機能も、もう昔話にしかならない。時代の流れってある意味残酷である。

説明を終えると「そんな機能が付いているのもあるんですねぇ。」と一言。

現在でもカセットテープは売ってはいるものの、風前の灯火。時間をかけて好きな曲だけ集めて、テープが伸びきるまで聴いた思い出ももう遠い昔の話。時代に乗り遅れた者たちへの配慮は乗り遅れた者たちが消えるとともにこの世から消えてゆくのだろう。

でも、それが時代というものであるし、継承されるもの、消えてゆくものも、また、時代によって選ばれるのである。

しかし、必要してくれる人がいる以上頑張らねばならない。それも大切な役目である気がします。

職場のCDラジカセもいずれ現役を引退する時が来るのだろうけれど、機械ではあるけれどなんだか少し淋しさを感じてしまったのです。