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「なぁ、小6の時、市営球場で磯部小と試合したん覚えとる? 」
「10月の市長杯? 」
「そうそう。ひどい試合やったな」
「たしかになぁ・・・・・・」
それは、小学6年の時に出来た、野球チームの初のリーグ戦で、誰もが一度は憧れる、野球選手になるという夢を打ち砕いた試合だった。
「あのカーブ、かすりもしなかったな。」
「あのピッチャーな。あいつ、海陽高行って、甲子園いったんやでぇ。それで、ベスト8や」
「やっぱりな。プロを目指す子って、こういう子なんだろうなと、バッターボックスで思った」
「そうやなぁ。たしかに、別次元やったもんな。けど、どこからもスカウトこやんくって、今は普通に会社員しとるらしいで」
「へぇー。やっぱり厳しい世界なんだな」
「まぁな。先の事は分からんもんや。まぁ、俺らが下手過ぎた事に気づいてなかったんが一番あかんのやけどなぁ。外野の奴、俺らが三振するたび、にやにやしとったもん」
「それ、俺も気づいた。なんか、腹立ったな」
後で知った事だけれど、初戦の磯部小は、リトルリーグと掛け持ちの子がレギュラーで、優勝することが目標だった。それに対し、俺たちのチームは、レベルもメンバーも、放課後野球の延長だったから、皆で野球ができるということで満足していた。だから、力の差は歴然だったけれども、その事実を知らずにいた俺たちは、球場に向かうマイクロバスの中で、誰もが、「勝てるんじゃないか」という、根拠のない自信を抱いていた。
「なぁ、小6の時、市営球場で磯部小と試合したん覚えとる? 」
「10月の市長杯? 」
「そうそう。ひどい試合やったな」
「たしかになぁ・・・・・・」
それは、小学6年の時に出来た、野球チームの初のリーグ戦で、誰もが一度は憧れる、野球選手になるという夢を打ち砕いた試合だった。
「あのカーブ、かすりもしなかったな。」
「あのピッチャーな。あいつ、海陽高行って、甲子園いったんやでぇ。それで、ベスト8や」
「やっぱりな。プロを目指す子って、こういう子なんだろうなと、バッターボックスで思った」
「そうやなぁ。たしかに、別次元やったもんな。けど、どこからもスカウトこやんくって、今は普通に会社員しとるらしいで」
「へぇー。やっぱり厳しい世界なんだな」
「まぁな。先の事は分からんもんや。まぁ、俺らが下手過ぎた事に気づいてなかったんが一番あかんのやけどなぁ。外野の奴、俺らが三振するたび、にやにやしとったもん」
「それ、俺も気づいた。なんか、腹立ったな」
後で知った事だけれど、初戦の磯部小は、リトルリーグと掛け持ちの子がレギュラーで、優勝することが目標だった。それに対し、俺たちのチームは、レベルもメンバーも、放課後野球の延長だったから、皆で野球ができるということで満足していた。だから、力の差は歴然だったけれども、その事実を知らずにいた俺たちは、球場に向かうマイクロバスの中で、誰もが、「勝てるんじゃないか」という、根拠のない自信を抱いていた。