すずめ休憩室

日々のこと、好きなこと、飼っていたペットのことなどなど・・・。
気の向くままにつづってみました。

「パーム」

2006年05月06日 | 漫画・本
今回紹介するのはパームシリーズ 伸たまきさん(現・獣木野生さん)の作品で現在までシリーズ28冊を迎えた作品です。

外科医を辞め、探偵事務所を起こしたカーターに旧知の弁護士・ジョンが助手を紹介してくれるという、その相手・ジェームスに会ったのは、なんと監獄の中だった。彼を雇うことを決めたカーターは天才的頭脳を持つジェームズと遠縁の娘アンジェラ、そしてアフリカ育ちのアンディと共に同居生活を始めることとなるのだが・・・。

熱狂的ファンもいるこのパームシリーズですが、私、最初読めなかったんですよね(苦笑)アメリカ漫画チックな線と共に物語のプロローグとも言える「ナッシング・ハート」や「お豆の半分」あたりの話が重くて重くて、一冊読めなかった位(苦笑)いえ、あの部分をプロローグと言ってはいけないのかもしれないですね、物語の中で重要な意味をもつトコロだし・・・。でも再びチャレンジしたトコロ面白い、面白い。

獣木さん(現在のペンネームがこうなのでこれ以降はそう呼びますね)のライフワークとも言える作品だと思うんですが、その分深く濃い。
登場人物の多さと哲学的な雰囲気もあって1冊読み終えるのに普通の漫画の倍はかかるし、時間軸が行き来するので読み返すことも多々ある漫画なんですが、セリフ一つ一つが獣木さんが「選びに選び抜いた言葉」と言う感じがするんですね。
一度だけ読んだんじゃこの漫画の良さは判らないんだろうなぁって・・・きっと自分の人生の分岐点などに繰り返し繰り返し読むとさらに良さが判る漫画なんだと思う。ただの「漫画」とは言えない本、そんな感じ
まぁそう思うのは私の脳の処理能力が低いせいなのかもしれませんが(苦笑)

そしてキャラ達の個性的ですね、皆アクが強いっていうか(笑)
一見頼りなげで弱そうな女性であっても確固した信念がかい間見える。
(サド目に弱いマゾな私はもちろんB・Jのファンですが・笑)

そんなトコを含めてファンを魅了しているんでしょうね。


それにしてもこのシリーズ、2013年を完結のめどにされているそうで、そうなると後7年ですが。。。比較的ゆったりした進み方なのであっと言う間にその日を迎えてしまうかも知れませんが、シリーズ半ばでラストがどうなるかって事を明かしている事を考えると、獣木さんがそこに至るまでどうペンを走らせるか気になりますね。でも楽しみでもある反面ちょっと寂しいかも(苦笑)


獣木さんのもう1つの作品でTHE WORLDというのもあるんですが、こちらもお奨め。ファンタジーぽい仕上がりになってますが、そのぶん始めての人には読みやすいと思います。でも根底に流れるモノは同じ感じだと思うので、「獣木野生」という漫画家を知らない人は「パーム」の前に是非こちらから挑戦してみてくださいませ。

B・Jのカッコいい姿を見たい人はこちら獣木野生公式ホームページ