私がすんでいる施設の5階から、二つの無花果ばたけが見える。広さや作り方はほとんどおなじである。ひとつは70歳くらいの男のかたが、もう一方はやはり同年輩の女の人が作付けされている。ところが男の方はほとんど毎日軽トラに乗ってやって来られ、ていれをされる。女の方は1か月に数度現れるだけである。
二人とも出荷されているらしく散歩の折など、ネットに囲まれた中を覗くと、それはそれは立派な実がなっている。我が家の倍くらいはありそうである。どうしてそれほどおおきくなるのかを詳しく見てみると、大きく三つの違いがあることが分かった。
プロの畑は、畝の幅が広く、高さが高い。2mぐらいの幅があり、乾燥を防ぐため藁が敷き詰めてある。そして、両側の溝には、たっぷり水が入っている。
次に木の仕立て方が違っていて、一文字である。我が家は2月に枝をバッサリ切るだけで、紐を使って添え木に引っ張ったりしばったりしない。
それに、木の高さが驚くほど違う。50㎝ぐらいである。我が家は伸び放題で、高いところなど3メートルはあり実を取るのに苦労をする。
そしてここ数年は食べる人もいないので、自然と手入れなども怠っている。最初は、30㎝くらいの、根のついた枝を近所から貰い、5本までに増やしたが、どんどん野生化しそうである。(E)
無花果ばたけ