事の始まりは隣の奥様から送られてきた写真だった。写真は花壇の周りに植えてある山茶花の消毒を依頼したのでその様子を寫したものである。私はその写真を一目見て山茶花の消毒よりその根元に生えている雑草が気になった。毎晩夢に見るし自分の体力を試すためにもよいきかいだと考え家に帰ることにした。体力が衰え仕事をするために数年家に帰っていないから。
出かける時は曇りでこのまま同じような天気が続くと思ったら除草液を作ったところで、雨が降り出した。雑草も意外と大きくプロに任せるより方法はないと思った。雨戸を閉め庭のプラムに目をやると木の下に雑草が生えている。これだけは、抜かないと、と思い雨がっぱを着て抜いた。プラムの実を見ると例年より半月もはやく色づき始めている。台風が来ると聞いていたので、出来るだけ収穫した。家に帰るととにかく雑用が多い。気が付くと5時すぎ、バスに乗り最寄りの駅に着いたのは6時30分だった。
荷物があるのでエレベーター用の改札を出ようとしたとき、ヒスパニック系の4人組の男女を見かけた。最初の男性は乗車券を入れて改札を出た。次の女性二人は前の人が乗車券を入れ後ろの人が抱きつくような格好で改札を出た。最後の一人は乗車券なしで、15センチほどのレバーの隙間をこじ開け大きな荷物とともに通過した。何をしているのか理解できなかった。
声を掛けようか。駅員に知らせた方がよいのか。
大勢の人がいたが皆気にかけていない様子、80歳近い私も大勢の人々の一人になった。
しかし、ふだん見かけない光景を目にした所為か私の頭の中に何時までも残りあれこれ考えた。
結局結論は出ずじまいである。(E)
宮崎からのマンゴー
家屋は人が住まなくなると 急速に老化します。
家へ帰る事が出来るのであれば 出来るだけ頻度を
あげて 家へ帰り 戸を開けて外気をいれて すべての部屋へ 出入りを繰り返して下さい。