この仕事をさせていただいて19年。
2000社以上の経営者を見てきましたが、
強い組織を作れる経営者と、
2~3年は良いのですが、数年すると組織が崩壊し、
また一から組織を作り直さなくてはならない経営者。
大きく分けて2パターンの経営者が存在する、
ということを理解することができました。
その違いをまとめたいと思います。
まず、強い組織をつくることができる経営者。
このタイプの経営者は当然ながら、
社員さんを大切にし、
かつ社員さんの成長の機会をたくさんつくろうとされます。
と同時に、社員さんの能力と人格と見極め、
しかるべき能力と人格を身につけた段階で
はじめて役職をつけたりされるのです。
非常に優秀な社員さんが入社されてきたとしても、
いきなり役職を与えることはなく、
その社員さんの実績だけを見ず、
人格までしっかりと見極めて、
総合的に判断して役職を任命するのです。
こういう経営者の組織は、
年々強くなっていくので、
優秀な社員さんの退職はほぼありません。
一方、組織が定期的に崩壊する経営者にも
共通するポイントがあります。
それは、入社して1か月程度のその社員さんの仕事っぷりをみて、
「今度、入社したAさんは本当に優秀です!」
「我が社の長年の課題は、Aさんで解決できます」
という感じで、すぐに高評価を出すのですね。
ところが、半年から1年経過すると、
「Aさんはダメですね。
役職に見合った成果を出していないし、
周囲の評価も高くないです」
という感じで、1年前の自分の評価がどこかに行ってしまい、
自分が評価していたAさんの批判をするのですね。
いやいや、Aさんの評価の前に、
自身の判断を冷静に振り返らなくてはならないのでは、
と感じざるを得ない経営者が、組織を大きくできない経営者です。
入社して短期間で成果を出したとしても、
そこで一喜一憂しない。
その逆で、成果だけを見るのではなく、
そのスタッフさんの姿勢や人格もちゃんと見る。
そして能力と人格を見極めた上で、評価する。
こういう経営者が経営する企業は、
年々、着実に社員さんが成長し、
組織も強くなっていくのです。
社員さんを評価するのは、
ある一滴の期間を見てからすべきなのです。
組織を大きくできる経営者は、
このことをよく理解しているのです。