鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第3861回】 お客様の嗜好の変化を見誤らないように

2021年07月26日 | 住宅コンサルタントとして

その昔、日本の電気メーカーの家電製品は

世界を席巻していました。

 

故障しない。

品質の割に安い。

有名タレントを使ったブランディングも

うまく機能していたと思います。

 

そして家電メーカーは、自社の技術を競って、

いろんな付加価値をつけようと努めました。

 

エアコンにしても、

テレビにしても、

スマホにしても、

とにかく自社の技術力の高さを見せつけようと、

本来の基本的な機能の他に様々な機能をつけ、

価格がドンドン上がっていったのです。

 

で今、過去の花形であった家電製品は、

例えばコスパの良さではアイリスオーヤマやニトリに、

デザインではバルミューダやダイソンにかなわず、

パナソニック・日立・東芝・三洋・シャープの中で、

今でも検討しているのは、ごく僅か。

 

メーカー側が完全にユーザーのニーズを見誤った結果、

今のような状態になったと言えるでしょう。

 

私、今の住宅業界も、

ひょっとしたら家電のようになっていく可能性もあるかも、

と個人的に思っています。

 

確かに、これまでの日本の住宅のレベルは低すぎました。

(今でもハウスメーカーや大手建売会社、

それからスーパーローコスト住宅の性能や施工品質は低い)

 

その結果、YouTubeを活用して、

家の性能面について、

正しい情報発信をされている方も出てきて、

確実に住宅業界は良い方向に進んでいると思います。

 

でも、性能を競い合うあまり、

以前の家電業界のようなことにならなければ良いな、

と個人的に思っています。

 

商売の世界で、正解はお客様が決めます。

 

作り手側、開発側が知っておかなくてはならないのは、

自分たちの自己満足にならないように、ということ。

 

先日、キンコン西野さんのボイシーで、

かつての国産スマホのメーカー間の競争について話されていました。

 

もう大半の方は忘れていますが(←私も忘れていまいた)、

メーカー側がいかに重量を軽くするのかを競い合っていました。

 

1グラム2グラム軽くすることに、

メーカーの開発チームはこだわりまくっていたのですが、

消費者はそんなに価値を感じないですよね?

 

で、iPhoneに全部、市場を取られてしまった。

 

お客様が求めていることを

見誤らないようにしたいですね。


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