目指せ華麗な七十代!

旧mandalaflowerからタイトルを替えました。今から始まる七十代をより華麗に生きる覚悟です。

成田屋の「睨み」in NY

2017-11-29 | 日記
昨日、ニューヨークのオペラハウスで歌舞伎を見た話を書いて、

下書きにしたつもりが公開となっていました。


オペラハウスの二回バルコニー席から見た歌舞伎の舞台。

最後は成田屋のお家芸「睨み」が披露されました。

「睨み」とは歌舞伎の世界の特別の一つです。

成田屋と呼ばれる家柄のものだけがこの「睨み」ができるのです。

今の世なら団十郎がいないので海老蔵さんだけができることらしい。

海老蔵さんと言えば最近奥さんを亡くされたことで話題の多い方ですが、

お父さんの団十郎が襲名した時に

そのお家芸をアメリカで見た私の思い出話です。

舞台には確か台座が設えられていたと記憶しています。

その上に敷かれた座布団に座った団十郎は

「ただいまより成田屋の「睨み」をご覧に入れます。

みたいな挨拶をし、

そのあと僅かに右側へ頭を振ると

うーんとばかりに客席の観衆を睨みつけたのです。

びっくりしました。

目の前にいる何百何千という人の前で

大見得を切って睨むって、

一瞬、へ、これだけ?みたいなキョトンとした気分でした。

だけどその一瞬の緊張感はものすごいものがありました。

皆が皆、目の前の舞台上の役者が今からしようとすることを息をのんで見守っていたのです。

その前でただ睨む。


一瞬の睨みが終わると会場には拍手の渦が巻き起こりました。


睨みに関しては多分パンフレットに説明文が書かれていたはずです。

その「睨み」の歴史を知った上で

一瞬のパフォーマンスを見逃してなるものか、と

待ち構えていたのかもしれません。

私はなんの前知識も持っていなかったのでわかりませんでした。

が、後で調べてなるほど、と納得したものです。


成田屋に伝わる「睨み」は厄除けと言われるほどに力のあるものでした。


年の初めに成田屋に睨んでもらえば一年平和に暮らせるというジンクスが

できるくらい目力のあった初代団十郎。

その団十郎の振る舞いから

その後の成田屋では当主の睨みとして代々受け継いできたもののようです。


アメリカという他国に滞在しながら日本の伝統的な厄除け儀式に出会える幸運を

大いに喜んだものです。


その同じ年、大相撲もやってきました。

確か千代の富士が横綱だったと思います。

こちらは市内を走るバスに大きな写真を載せて街中を走っていたのを覚えています。

興行はマジソンスクエアガーデンでした。

残念ながら当時は相撲に興味がなかったのでそちらへは足を運ぶことがなかったけど、

今にして見たらもったいなかったですね。



コメント
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