日曜日、松江市の島根県立美術館で開かれている「河井寛次郎展」に行ってきた。
河井寛次郎は柳宗悦が提唱した「民芸運動」に深くかかわり沢山の作品を残されているにも関わらず殆ど作品を見ることがなかった。
大正~昭和の美術界で活躍された作品の数々を実際に見ることが出来て二人で大感動だった。
先日まで放送されていたゲゲゲの女房と同じ安来市の出身。
開場の島根県立美術館には弟子の森山雅夫さんの作品も売られていたが民芸運動が深く根付いたのは柳宗悦、濱田庄司、棟方志功などのリーダーが全国各地を指導して歩いたからに他ならない。
島根、鳥取にもその痕跡は今も脈々と受け継がれ陶芸や染色など引き継がれている。
「用の美」と言うには繊細な絵付けもあるが河井寛次郎さんは外見に似合わず後期になるほど豪放な作品が多く、釉薬による色の変化や模様で楽しませてくれた。
京都にいる友人が「京都の河井寛次郎記念館にいらっしゃい。寛次郎が住んでいた家そのものが作品にピッタリとあって又いいのよ」と言っていたので会場に貼ってあった大きな記念館の写真を見て何だか行った気分にもなった。
陶芸家と言うより学者タイプ、木彫り、書、どれをとっても破格の作品に遠くまで行った甲斐があった。
会場を出て「俺は方向が全くわからん。どこを走っているのかもわからん」と夫。
そう言えば松江はいつも私の運転が多かった。
「まっすぐ行くと松江大橋・・・その先が県庁、右折したらおみやげやさん、大きな通りを左折したら島根大学方面、その近くにいつも行ってた喫茶がある」
と言っても全く思い出せない様子。
こうなると地理的に判りやすい場所のほうをを案内するしかない。
行かなくなってもう何年にもなるが駐車場の場所など瞬時に思い出した。
駐車場が見えて来たころ「あ!思い出した」・・・もう遅いって。
お店の中はお客さんでほぼ満員だったが男性客が「もう出ますよ、どうぞ」と席を譲ってもらった。
次のお客さんは私達と同席。こんな優しさも松江らしいね、と顔を見合わせる。
丁度展示していた京古布を一巻き買って美味しいコーヒーを味わった。
松江は不昧公(ふまいこう)と言う茶好みのお殿様のおかげで抹茶をはじめコーヒーや紅茶も美味しい所が多く、お菓子も新作が出ていてお土産に買ったら大人気だった。
夕日の宍道湖を撮ろうと思ったけど運転に不案内の夫はイライラと走り続けるので殆ど写真を撮ることはできなかった。
上の写真は多伎の道の駅の風力発電。
松江→出雲(山陰道)→江津(9号線)→浜田(山陰道)→広島(浜田道)
道の駅に寄ること8箇所。
若くないんだからこんな強行軍はもうやめにしたいんだけどなあ。
でも、涼しくなったのでしっとり落ち着いた松江の秋と寛次郎の豪快な用の美、見に行くのもいいですよ!