土曜日の朝、風邪が治りきらないがじっとしていたくはない。
朝娘の所へ行くと中学生になったばかりの孫が「上がれ上がれ」と言う。
婿殿と朝食をしている最中だが「田舎に遊びに行こう」と言うと「ちょっと待ってね」と、ゆっくり食事をして、さあ行くのかな?と思ったら新聞を読み始めた。
夫は早く着替えをせよとか、行く気あるのかとか言っているがその辺がクールな私、「もう行くよ」とさっさと目配せをして立ち上がった。
中学生ともなると(ついこの間だけど)もう色んな誘惑につられないよとアピールしているのだろう。
精一杯背伸びしているに違いないと思いつついつものコースを帰った。
「今日のお昼はいかがします?」と言うと「久しぶりに蕎麦かな」と言う。
「久しぶりじゃないだろ~」と思いつついつものお蕎麦屋さんに到着。
11時前なのにもう行列。食べ終わったら運動を兼ねて道の駅まで歩いて行き野菜や親戚へのお土産、花の苗を買って出発。
前の週帰らなかったら親戚の人が刈って下さった草がもうボウボウに。
草抜きをして親戚へ。喉がカラカラ~とコーヒーを飲ませて貰って「久しぶりに八幡高原の様子を見に行くか」と、芸北を目指した。
近づくと何だか空の模様が変だ。
臥龍山は霧ですっぽりと見えない。
私の案内でまずカキツバタを見に行く事にした。
掛頭山に入ると霧が車の回りを取り囲み不思議な光景になった。
迷わないようにとゆっくりライトをつけキャンプ場に出た。
八幡高原は霧に包まれ幽玄の世界だ。
いつも写真を写す場所に降りカメラを構えていると霧の中から男性が声を掛けてきた。
「奥さん、こういう構図で撮ってごらん」と、ご自分のカメラを覗かせてくれた。
「おぉ~これは・・・私のコンデジでは絶対ダメですから」
普通の一眼レフカメラの2倍くらいの大きなカメラにくっきりとした画像、真似た所で・・・と思いつつその方の後を着いて回った。
色んな事を教えてもらいつつ「今日の天気は恵まれましたね」と感謝をして次の撮影場所に行った。
霧で身体が冷えたがお天気に恵まれた分ちょっと頑張った。
カメラマンは言葉も無く「バシャバシャ」と言う音とアガショウビンやカッコウ、ウグイスなど鳥の声が高原に響く。
夫も携帯にアカショウビンの声をしきりに録音していた。
素敵な風景にめぐり合え夫も満足そうに機嫌よく帰った。
あの風景を再現できないのが歯がゆいのですがスライドショーにしてみました。