さそりが女神たちの命を受け、狩人オリオンを始末した事は以前話した。その功有ってさそりは天に上げられ星座となっているが、女神たちはよほど嬉しかったと見え、星座にしただけでなく勲章まで与えている。M4。さそりの心臓とも言われるアンタレスのすぐ近くにあって、肉眼でも見ることが出来る球状星団がそれだ。
発見は1746年。発見者はスイス出身の天文学者だと言われる。もともと肉眼で見えるものを発見もなにも無いと思うが、先に言ったほうの勝ち。
直径は70光年ほどで、球状星団といいながら星の集まりが均一で無い。望遠鏡で星の数を一つ一つ数えた根気のいい天文学者ウイリアム・ハーシェルが、この星団には「尾根」が有る、と言っている。確かに僕の撮った画像にも、左上から右下に掛けて明るい星の連なりが見える。それ自体に学術的な価値は無いと思うが、この球状星団の星は非常に古い。中には宇宙開闢(かいびゃく)に近い130億歳の星も有る。しかもほとんどすべてが黄色っぽい。女神たちがさそりに贈ったのは純金の勲章だったようだ。