日が暮れる。丘を渡る風が冷たい。仲秋の名月を過ぎたのだから秋本番は当たり前なのだが、こうして風を肌に感じると季節の移り変わりを改めて実感する。キツツキの穴ぼこはまたいずれ処理するとして、撮影するなら準備をしなければ。
階段を上がって屋根を開けると、秋の星空が広がっていった。頭の真上には天の川も見える。宵の明るさが残っているせいか淡いのが残念だ。西に目をやると空低く宵の明星が輝いていた。これでも撮ってみるかな。ただデッキの反射望遠鏡はどれもメンテナンス不良。今撮影できるのは8センチフローライト屈折しか無い。ただこう低くては大気のプリズム効果であの位置の星はまともに見えないだろう。
撮影してカメラのモニターで拡大してみると、案の定ビーナスは虹色に色分解していた。話にならないな。そう思いながら持って帰ったこの写真。家のパソコンでじっと見ていて気が付いた。そうか。屈折率の違いで色が上下にずれているのだから、三色分解して改めて重ね合わせてみてはどうだろう。
と言う訳でやってみた結果がこれだ。
あ、この方法はいける。これからはプリズム効果が出てしまったらこの手を使おう。なんだか得をした気分になった。画像処理は奥が深いと思う。これまでにも沢山の手法を使ってきたが、まだまだ知らない事、開発されていないやり方が沢山あると思う。ただ、あまりいじりすぎるとそれは天体写真では無くお絵かき画像になってしまう。その兼ね合いが難しい。
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