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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

こんなに面白い芝居とは思わなかったケラ演出「8月の家族たち」

2016-05-28 13:54:05 | 日記
シアターコクーン「8月の家族たち」です。公開されたとき映画も観ていますが、今になってみるとメリル・ストリープとジュリア・ロバーツの壮絶な母娘喧嘩の方が、映画全体の内容より、印象に残っています。
で、舞台。今回も、麻実れい演じる母親と長女役の秋山菜津子の喧嘩シーンは壮絶でしたが、同時に家族の物語もきちんと描かれ、私としては、映画版より好印象でした。アル中の母親 失踪した父親(村井國夫)既に別居している長女夫妻(秋山 生瀬勝久)娘は、ドラッグをやっている様子。三女(音月桂)は、ようやく婚約者(橋本さとし)を見つけたようですが、この婚約者にいささか問題あり。次女(常盤貴子)は、ずっと母親の面倒を見てきました。ようやく、いま、いとこ(中村靖日)と恋仲になったようですが、実は、この2人の間には、当人たちも知らぬ秘密が・・・いとこの父母(木場勝巳 犬山イヌコ)は、この息子の行く末がなにより心配。こんな家族たちの物語です。
父の失踪を知らされ、久々に集まった家族たち。ほどなく父の死の報がもたらされ、と同時に彼らの秘密も、次々に明るみにでてきます。そういう意味では、なんの希望もない話です。各人が問題を抱え、明るい解決策は見えてきません。みな、うまい役者陣だけに、なおさら、リアルに、問題が浮き出てきます。反面、ホッとさせるシーンもあります。それは、たとえば、夫に去られた長女が、久しぶりに会った同級生の保安官に思いを寄せられるシーン。また、ケラ演出には欠かせない犬山が、素っ頓狂なことを言い、周囲を笑わせるシーンなど、KERA演出は巧みです。そして、彼らが問題に向かっていく姿 打ち負かされる姿を、ただ一人第三者の眼で眺めているメイド(羽鳥名美子)の姿が印象的でした。