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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

ボクシング映画の傑作 ロバート•ワイズ監督「罠」

2019-02-12 10:43:31 | 日記
シネマヴェーラ渋谷で上映された「罠」です。
ロバート•ワイズ監督の作品。後に「ウエスト•サイド物語」を撮った監督です。
72分の上映時間。映画のなかでも同じ時間が経過するというところがミソ。
このわずかな時間の間に、ロバート•ライアン扮する中年ボクサー•ビルの人生が、一変してしまうという なんとももの悲しい映画でした。

うらぶれた場末の会場。
来る客も、どこか身を持ち崩した感じの人間が目立つ。
入場料も、それ相応の安さ。
ビルが、妻と泊まるホテルも、お世話にも立派とはいえないところ。
会場の控え室にいるボクサーたちも、将来への希望を失ったように見える連中が多い。
そんな 二流 三流感満載のなか、映画は進んでいきます。

会場に向かう前、ビルは妻に、将来のことなどを熱く語り、試合を観に来るよう勧めます。
が、既に35歳。ボクサーとしての盛りを過ぎた彼の身を案じる妻は、心配で観に行くことが出来ない。
一人で会場に向かうビル。
一方、ビルのマネージャーは 八百長を持ちかけられている。
今日の対戦相手は、若手ボクサー。
話を受けるマネージャー。
が、どっちに転んでも負けると決めつけていたので、ビルに話は伝えていない。
何も知らず、必死に闘って 勝利をおさめたビル。
が、リングを降りると マネージャーの姿がない。
困惑するビルの前に、約束を破られた男たちが立ち塞がる。

訳を話すビルですが、当然 彼らは聞く耳を持たない。
ビルの帰りを待つ妻がいるホテルは、目と鼻の先。
が、ビルには、とてつもなく長い距離で・・・
というお話。

非常にシンプルですが、よくできた映画でした。
さすが、ロバート・ワイズ作品です。