プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

開高健「片隅の迷路」

2023-08-16 10:45:51 | 日記
こう暑いと、なかなか出かける気にもならない
今日この頃。
朝はエンゼルスの試合見て、その後は
クーラーの効いた部屋で
本を読んで過ごす時間が多くなっています。

開高健さんの「片隅の迷路」です。
実在の冤罪事件に材を取った作品。
「徳島ラジオ商殺し」
昭和28年に起きた事件。
犯人として逮捕されたのは
内縁の妻。
この事件は、内縁の妻が亡くなった後
冤罪事件として、無罪判決が下されています。

なぜ、こんな冤罪事件が起きたのか。
検事が、証言を捏造したから。
証人は、店に勤めていた2人の男性。
まだ未成年。
検事に誘導され、嘘の証言をする。
小説は、こうした経緯を詳しく描写していきます。

昨日再放送された「相棒」
「目撃証言」というタイトルで、
事件を目撃した証人の証言が
エスカレートしていく様を描いています。
この証言で人生を狂わされた男。
新たな事件が起きる。

時は経っても、冤罪の恐怖はなくならないようです。

鈴本「吉例夏夜噺 さん喬 権太楼特選集」

2023-08-15 10:34:31 | 日記
昨夜は、鈴本演芸場へ。
8月中席は、恒例の「さん喬 権太楼特選集」
プログラム見ると、第34回となっていますが
そんな昔からやっていたんですかね。
私は、ここ10年くらい行ってます。
もうご高齢の両師匠だけに、
病気で弟子の喬太郎師が代演とか色々ありましたが
是非、今しばらく続けてほしいものです。

では、早速、演目と演者
寿限無 やなぎ
奇術 アサダ二世
スナックヒヤシンス きく麿
浮世床 菊之丞
漫才 風藤松原
侵略指南 喬太郎
堀の内 一之輔
口入れ屋 新治
お仲入り
ものまね 猫八
幽霊の辻 権太楼
紙切り 正楽
死神 さん喬

「侵略指南」
タイトルでお分かりの通り、「あくび指南」のパロディ。
宇宙人が侵略の仕方を教わる話^_^
「堀の内」
これも、一之輔流に仕上がっていて、子供の名前が
「たけし」というのが笑える。
「幽霊の辻」
今回のお目当ては、この落語。故枝雀師の十八番。
「水子池」など、不吉な話を連発する老婆が大爆笑もの。
「死神」
久しぶりに不気味な「死神」を聴きました。
死神は、八五郎に取り憑くことしか考えていない。
落ちも、死神の高笑いで、幕が下りる。
「怪談」として、よくできていました。

藤本義一「川島雄三、サヨナラだけが人生だ」

2023-08-14 11:21:11 | 日記
もう1日 読書のお話。
藤本義一さんがお書きになった
「川島雄三、サヨナラだけが人生だ」です。
ブックオフで、たまたま手に取り
「幕末太陽伝」など、結構川島作品を観ていて
今でも、渋谷の「シネマヴェーラ」などで特集がかかると
観に行ったりしますので、読んでみることにしました。

藤本さんの小説「生きいそぎの記」
これは、直木賞候補にもなったそうです。
「師匠•川島雄三を語る」と題されたエッセイ
長部日出雄さん 殿山泰司さん 小沢昭一さんら
との対談
ラストは、師弟の共同脚本である
「貸間あり」の脚本で締められています。

人間川島雄三を描く興味深いエピソード。
私が一番好きなのは
ある日、酒をしこたま飲んだ2人。
夜中になって、大激論を交わし、
とうとう絶縁することになる。
その理由が
「弁慶と牛若丸は、どちらが強いか」
良いですね、大の大人が、口角泡を飛ばして
真夜中に激論する姿、想像するだけで楽しい^_^

その一方、「貸間あり」の脚本
最初の10日間は、家の設計図を作成することだけに
費やしたという。
その緻密さ

川島雄三という不可思議な人間を描く
良いエピソードだと思います。

中上竜志「散り花」

2023-08-13 10:58:35 | 日記
中上竜志さんの「散り花」です。
「日経小説大賞」を受賞した作品。
プロレスを題材にした作品ということで
読んでみました。

日本最大手の団体「プロレスリング•ジャパン」
立花は、中堅レスラー。
新人時代は、将来を嘱望されていたが
凱旋試合で、シュートを仕掛けてきた同期レスラーを潰して
再起不能にしてしまった。
以後は、贖罪の日々を送る。

そんな時、ある企業が、新団体を興そうとする。
噂では、ジャパンから何人かの選手が引き抜かれる。
立花の名は、その筆頭にある。
燻ったレスラー生活を送ってきた立花に
久々に陽の目が当たる。
というお話。

興味ある世界の話だけに、面白く読めました。
ただ、やたら「ブックがない」試合が目立つ。
果たして、これは、どうなのか?
半可通のファンとしては、ちょい疑問も残ります。

ただ、試合描写などは、なかなか迫力があり
それなりに読ませてくれた。
300ページを超える本ですが、一気読みできました。

山口祐一郎&保坂知寿&浦井健治&大塚千弘「家族モドキ」

2023-08-12 10:25:56 | 日記
シアタークリエで上演中の
「家族モドキ」です。

山口祐一郎&保坂知寿&浦井健治&大塚千弘の4人芝居。
メンバー的にミュージカルかと思いきや
ストレートプレイです。
脚本は田淵久美子。
2020年に、このメンバーで
「オトコ•フタリ」という芝居
上演しています。

舞台は高梨家。
大学教授の次郎(山口)は、家の中を伺う不審者を発見する。
その男•渉(浦井)は、娘•民子(大塚)の大学の同窓生。
実は、今日は家を出た民子が3年ぶりに戻ってくる日。
娘と2人では気まずいので、渉にも付き合ってもらうことに。
帰ってきた民子だが、なんとお腹が大きい。
父親は、渉!
しかも、渉は妻帯者。
騒動勃発
というところに登場したのが、渉の妻•園江(保坂)
一回り上の年上妻!
さあ、どうなる?
というお話。

騒動は二転三転。
展開は大体読めますが
休憩25分入れて、2時間5分のお芝居は
テンポ良く進んでいきます。

ただ、あえて舞台化する必要あったのかな
という疑念は残ります。