さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

日本書紀 神功皇后紀を読んでみる 9

2017-05-15 | 日本書紀を読んでみる



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こんにちは、小野派一刀流免許皆伝小平次です


本日は

『日本書紀 神功皇后紀を読んでみる 9』

をお送りいたします


前回までのあらすじ

といきたいのですが、そろそろお話も少しすすんできまして、前回までのあらすじをご紹介しますと、それだけで結構な字数になってしまいます

よろしければ『日本書紀 神功皇后紀を読んでみる プロローグ』から前回の『日本書紀 神功皇后紀を読んでみる 8』までをお読みいただければ幸いに存じます


ということで、さらっと前回のあらすじだけおさらいしてみます

西国(新羅)の征討をご決意なされた『おきながたらしひめのみこと(神功皇后)』は、海水で髪をそそがれ、二つに分かれた髪をみずら(古代男子の髪型)に結い上げ、そのご決意を群臣に語ろうされたところまででした


では続きです


『原文』 一部現代字使用

『夫興師動衆 國之大事 安危成敗 必在於斯 今有所征伐 以事付群臣 若事不成者 罪有於群臣 是甚傷焉 吾婦女之 加以不肖 然暫假男貌 強起雄略 上蒙神祗之靈 下藉群臣之助 振兵甲而度嶮浪 整艫船以求財土 若事成者 群臣共有功 事不就者 吾獨有罪 既有此意 其共議之 群臣皆曰 皇后爲天下 計所以安宗廟社稷 且罪不及于臣下 頓首奉詔』



『訳文』

『 皇后は 「 軍を起こして、衆を動かすのは国の大事である。国の安危も成敗も(勝つか負けるか、国が滅ぶか栄えるか)もここにかかっている、今、討たねばならぬところがある。群臣たちにゆだねよう。もしも事がならなかったのであれば、それは群臣の罪となってしまう。しかしこれはとても辛いことである。わたしは女で、なおまた未熟である。しかし、しばらく男の姿やつして、強いて雄々しく戦略をたてよう。上は神祇の霊威を被り、下は群臣の助けを借り、兵甲(軍、兵)を興して高い波を渡り、船団を整えて、宝の国へ臨む。もし、事が成れば、群臣はと共に功績があったということにる。もし事が成らなかったら、それは自分一人の罪である。すでにこの覚悟であるゆえ、皆でよく話し合うのだ。 」と言われた。
 
群臣は皆でこたえた。

「 皇后は天下のため、国家のため、安泰であるよう計っておられます。敗れて罪が臣下に及ぶようなことはありますまい。慎んで詔を承ります 」 』


簡単解説


小平次としましては、この後の出兵のシーンも好きですが、ここも好きですね~

美しき男装のおきながたらしひめのみこと・神功皇后が

『もし事が成らなかったら、それは自分一人の罪である!』

いやあ、カッコよすぎます!

妄想が膨らみ、とどまるところをしりません!




人のせいにばかりして生きている自分を思いますと、とほほ…、ですが



御免!


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韓国歴史ドラマと北朝鮮

2017-05-09 | 歴史



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こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です

以前も書いたことがあるのですが、みなさん韓国の歴史ドラマって見たことありますか

韓国歴史ドラマの基本は

『陰謀、謀略、裏切り、復讐、少し恋愛』

の連鎖繰り返しで、一応史実に沿いながらも、そのような人間模様、フィクション部分が大半です

さて、小平次は韓国の歴史ドラマをよく見てるってわけではありませんが、先日何気なく見ていたものがなかなかに面白く、つい最終回まで見てしまいました

『華政(ファジョン)』

というドラマで、李氏朝鮮の第15代王『光海君(クァンヘグン)』の腹違いの妹『貞明公主(チョンミョンコンジュ』という王女を主人公にしたドラマでありました

今回お話ししたいのは主人公の公主ではなく兄の『光海君(クァンヘグン)』


この『光海君』という王様

韓国ドラマに詳しい人に聞くと、以前は『暴君』として描かれることが多かったそうですが、最近少し変わりつつあるそうです(学問的にも以前はそういう評価が多かったみたいです)

実際どんな王様だったのでしょう

(ドラマではこの方が光海君、なかなかに見ごたえある演技で引き込まれました)

『光海君』は若き日に、父王とともに、豊臣秀吉の対明戦争における朝鮮侵攻の対応にあたっていますが、その時の経験が後の王としての政策に影響します

ドラマの中で『光海君』が言います(セリフは正確ではないと思いますが)

『明と倭国の戦においても、我が国の国土がふみにじられた、朝鮮は大国同士の身勝手な思惑に振り回されてきた、そうならぬためには我が国が自分たちの力で国を護れるようもっと強くならねばならん』

『倭国』を『大国』として認めているのにもこれまでの韓国を思えばちょっと驚かされます

それはさておき、その言葉通り『光海君』は、それまで鉄砲の製造や火薬類の取り扱いを担当していた『鳥銃庁』を『火器都監(ファギトガム)』に格上げし、より一層の軍事力の増強をはかります(この辺は史実…?)

外交面では、豊臣秀吉の侵攻以来、冷え切っていたであろう日本との国交も、徳川幕府と和議を結び復活させます

また、すでに衰退の兆しを見せていたはずの『明』との関係を、貿易上の利権などから重視する朝廷重臣が多い中、その『明』と、のちに大陸の覇者となる北方の『後金(清)』との狭間で、双方の力を見極めつつ中立外交を目指します

しかし、明と後金との武力衝突が起こると、朝廷内の、対明貿易で私腹を肥やしていた『明重視派』、『化外の蛮族の言うことなど聞けるか!』という重臣たちの圧力も大きく、明からの出兵要請に応じざるを得なくなり、軍を出兵させ後金軍に徹底的に叩きのめされてしまいます

ドラマでは、この時に『光海君』が『後金(清)』に通じていたという謀略を明重視派の重臣たちに仕組まれ、次王『綾陽君(ヌンヤングン(仁祖))』によって廃位に追い込まれていきます


この他にも、『光海君』は内政面においては、中間搾取などの弊害の大きかったそれまでの税制改革に着手し、実質的な民への税負担の軽減に努めたりもしていたようです


さてどうでしょう

大国の争いや思惑に翻弄されたり、侵略されたりされることのない真の独立国家となるため、国力の増強に努め、日本はじめ周辺諸国との和議、中立を目指し、民の税負担の軽減にもつとめる

ドラマのみならず史実からも垣間見える『光海君』は、『暴君』どころか朝鮮史上稀に見る『名君』であったように思えます

さて、翻って現在の我が国、自国を自国の意志で防衛することもかなわず、その上アメリカ、中国、ロシアといった大国の思惑に翻弄され続けています

一方

『北朝鮮』

狡猾な外交戦略を展開し、いつの間にか核開発にも成功、一部では米軍の空爆、斬首作戦、などがささやかれておりますが、『核保有国』となった北朝鮮、その報復による、韓国や、我が国で起こりうる甚大な被害を考えれば、いまやアメリカも簡単には手を出せなくなりました

また、永きにわたり主従の関係にあったともいえる歴代支那王朝

現代の支那王朝とも言える中国ですら翻弄されております


『光海君』

『稀代の名君』がその情熱をもって目指した国

『大国の身勝手な思惑に翻弄されたり、侵略されたりしない強い国づくり』

が400年後、良いか悪いかは別として、これまた『稀代の暴君』



『金 正恩』

によって、実現しつつあるというのは何とも皮肉なものであります



御免!






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