さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

タクシードライバー日記 どちらまでですか? 『ホンマモン』

2024-03-12 | タクシードライバー日記


こんにちは、小野派一刀流免許皆伝小平次です

小平次は、今の生業に就く直前、タクシードライバーを4年半ほどやっていたんです
その時のことを、インド放浪記風、日記調、私小説っぽい感じで記事にしていきます

本日は

『ホンマモン』

乗車地
『門前仲町』

降車地
『上野広小路付近』

********************************


 ある日の昼間、おれは東陽町付近から永代通りを日本橋方向に向かって車を走らせていた。門前仲町の、江戸の風情が残る商店街に差し掛かる、ふと、左手に、見ただけで『その筋』の人たち、とわかる男が数人並んで立っていた。一人の男が車道まで出て来る。

(やべぇ! おれの車停める?)

 明らかなその筋の人たち、緊張が走る。

(頼む、手、上げるな)

 おれの願いもむなしく、車道の男が手を上げた。

(ああああ…)

 おれは車を左に寄せドアを開けた。ドアを開けた先には『甘味処』の店がある、列をなしている男の一人が店に入る、すると、中から長身で細身、ピシっとスーツを着こなしたロマンスグレーのダンディな男が出て来た。列の男たちが一斉に頭を下げている間を通り、そのロマンスグレーが乗り込んできた。

『お、お待ちどお様でした、ドアを閉めてもよろしいですか?』

『ああ、お願いします』

 おれがドアを閉めかけると

『お疲れ様でした!』

 列の男たちが大声で一斉に挨拶をする。

『ど、どちらまでですか?』

『ええっと…、上野広小路の方へ行って欲しいんですがね、ちょうどアブアブの斜向かいのあたりで降りたいんですよ』

 口調はいたって穏やかである。

『かしこまりました』

 ルートを思い浮かべる、この先、門前仲町の交差点を右折、人形町通りに入り、水天宮前を抜け小伝馬町から昭和通り、秋葉原駅前を通り、春日通りを左折、そして上野広小路の交差点を右折、おそらくこれが最短だろう、おれはルートを確認する、ロマンスグレーが答える。

『ええ、ええ、いかようでもいいですよ、おまかせします』

 おれは慎重に、急加速にならない程度に少し急ぎ目に車を出す、走り出すと、すぐにロマンスグレーが口を開いた。

『運転手さん、今の見てましたでしょう? 真昼間から一目でわかるような恰好の男たちが並んで、ほんとにみっともない、やめろって言ってもね、あいつらはそうも行かず、ああやって大げさに見送るんですよ』

『は、はあ…』

『いやね、ウチのオヤジがね、突然甘いものが食いたい、って言いだして、私はね、もっぱら飲む方専門なんで、甘いものなんか食いたくないんですけどね、オヤジが言うもんだから仕方なく付き合ってたんですよ』

 ロマンスグレーは、少し笑いながら楽しそうに言った。物々しい乗車の光景からは想像もつかなかった穏やかな車内になった。『オヤジにつきあっていた組の幹部』、つまり若頭って感じの人か?


 これまで『その筋の人』を乗せたことが無いわけではない、半グレっぽい生意気なチンピラ風情は何度も乗せている、いかにも『親分』のような客を乗せたこともある、だが、あんなにも、まるで任侠映画の『ホンマモン』のように子分を従え乗って来た客は今回が初めてだ。

 ロマンスグレーは饒舌だった。

『運転手さん、私ね、娘がいるんですよ、大学生なんですけどね』

(ヤ〇ザの娘も大学に行くのか…)

『どうもねぇ、うん、どうも彼氏ができたみたいなんですよ』

(彼氏?)

『親としては心配でしてねぇ、いや、娘が彼氏作る自体はいいんですけどね、だってほら、さっき見たでしょう? 私たちの商売はそういう商売なんでねぇ、いつかほら、親に紹介するなんてことになって、彼氏を家に連れてきたら、そりゃびっくりしちゃうでしょう? 明らかに普通の家じゃないですから、もしかしたらそこで交際が終わって、娘が傷ついたりしないか、なんて考えてしまうんですよ』

(ヤ〇ザも人の親なんだ…)

 そうこうする内、秋葉原駅前を超え、春日通りを左折、と、ここでおれは大きなヘマをしてしまったことに気づく。

『お客様、も、申し訳ございません、ちょっとうっかりしてしまい、この時間、上野広小路の交差点は右折ができなかたんです、メーターを止めて、少し回り込んでアブアブの向かいに行きますので…』

 ここまで、とても穏やかだったダンディな若頭だが、こんなミスをゆるしてくれるだろうか…? 不安がよぎる…。

『いやいや、それならば、真っすぐ広小路の交差点を超えたところで停めて下さればいいですよ、わざわざ回り込むなんてしなくていいですよ、なに、歩いてもすぐですから』

『も、申し訳ございません…』

 おれは言われた通り、交差点を超えたところで車を停めた、料金を精算、お釣りはいいですから、とチップまでもらった。

『どうもありがとうございました』

 ダンディなロマンスグレーの若頭は最後までダンディだった。

 おれが小学生の頃、友人に、小さな組だったが、ヤ〇ザの組長の息子、というのがいた。小柄で、少し病弱で、普通に皆とドッジボールや缶蹴りなどをするのが難儀するようなやつだった。だから皆で遊ぼう、というとどうしても仲間外れになり勝ちだった。おれは、そういうやつを見ると、放っておけない性分だったから、他のやつらがそいつを誘わなくても、よく声をかけ一緒に遊んでいた。

 十年くらい経って、ばったり街でそいつと出くわした。相変わらず小柄であったが、病弱そうには見えず、服装はそのまんまヤ〇ザであった。

『小平次君じゃない?』

『あれ?、H? 久しぶり!』

『小平次君、今何してるの?』

『今、大学行ってるよ』

『大学? 小平次君、勉強できたもんなぁ、おれは、まあ、見てのとおりだよ、そうそう、まだこの町にいるなら、おれの家も変わってないから、何か困ったこととかあったらいつでも言って、小平次君には子供の頃世話になったから』

 今思えば、やはり昔のヤ〇ザには義理人情の世界があった。義父がよく言っていたそうだ。

『暴対法なんかでヤ〇ザを街から閉め出しちまったら、だれが街の秩序を守るんだ!』

 確かに、ヤ〇ザが街からいなくなり、秩序のない、義理も人情もへったくれもない、そんな『半グレ』なんて連中が幅を利かせている、外国のマフィアも多いそうだ、却って危険な街が増えている、六本木や渋谷、深夜におれがあまり行かないのは、義理も人情も無い、匙加減もわからない、そんな連中がのさばっているからだ。

 最後にミスはしてしまったが、まだまだこうして『ホンマモン』のヤ〇ザがいるんだと知って、おれは少し安堵したのであった。


***************************************

こういう感じの、その筋の人は何度かお乗せしました。性質の悪いのは、やっぱり若い半グレなどと言われる、中途半端なワルっぽいヤツ、まあ、大きなトラブルはありませんでしたが…



コメント (4)
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三島由紀夫とレインボーマン

2024-03-05 | 社会・経済



こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です

ふと思うんです

今の日本って、もはや日本ではなくなっているのではないか

少なくともまともな独立国とはとても言えないのではないか

アメリカの民間人大虐殺によって焦土と化した日本、それでも立ち直り経済大国となり先進国と呼ばれるようになった日本

工業大国として技術や工業製品を売って豊かな国になったかのようですが、実際は、それまでの歴史を否定され、日本の政治は米軍と売国官僚によって牛耳られ、主食の米造りは減らされ、アメリカから小麦を買わされ、壊滅的な食料自給率を強いられ、絶対に売ることのできないアメリカ国債を買わされ、ドルを支えさせられ、外国にはばら撒きながら日本人の間には格差が広がり、貧困も進み、好き放題にやられています

疫病が流行ったと言えばワクチンを買わされ、地球が温暖化していると言えば、到底無理なCO2排出削減のために多額の投資を強いられ、戦争が起これば当事国の世界銀行の融資の保証人にならされ、それで金が足りないと国民が巻き上げられる

まさに、アメリカ、世界の投資家たちの植民地です

東南アジアの小国でも、外国人、外国資本が不動産を購入することは禁止している国が多数だと言うのに、日本では外国人、外国資本が好き放題に日本を食い物にしています

さらには、ここ数年のうちに、より外国人が働きやすい環境を整え、一層多くの外国人労働者を迎え入れる準備に入りました

で、いまや少数になりつつある中流階級以上の人間は、自分たちが困っていないから痛みがわからない、分断が進み、日本が消滅してしまいそうです

日本を食い物にしている。。、というより、この世から日本人が消えてほしい、消してしまえ、と考えている連中がいるかの如く、やりたい放題にやられています

妄想ですが、帝国主義時代、アジアに広大な植民地を持っていた金持ちたち、日本軍によって追い出され、その後独立運動によって植民地を失った。。

『日本人だけは許さない! 黄色いサルめ!』

と、代々受け継いでいる連中がいるのではないか、とさえ思っています

『黄禍論』

日本が明治以降、国力をつけ、日露戦争に勝利する頃に西洋白人社会で使われた言葉です

白人に禍をなす黄色い連中。。。

まさに日本と世界の戦争は、人種差別との戦いでもあったと言えます



さて、三島由紀夫。。。

この人の作品に触れたのは、高校生ぐらいでしたかね、若すぎたのか、小平次には難解に過ぎまして、それ以降読んでいません

もう一つ、前にも言ったのですが、小平次の父は、毛沢東の中国は素晴らしい国、と言ってはばからない人で、家では朝日新聞どころか、赤旗まで購読していました

その上クリスチャン、若かりし頃の小平次はそういう家庭の環境もあり、「楯の会」などという組織を作り、自衛隊に蜂起を促し、遂には割腹して自決するような人、のイメージから、度の過ぎた国粋主義者のように思っていたことも、作品自体を敬遠する理由だったかもしれません

しかしながら、物心がつき、ある程度、遅ればせながら自分の頭で考え、歴史を自分で学びなおしてみますと、自分が、天皇を戴く国の民であることを幸せに思う、まさに日本人であることを強く自覚するようになり、今や三島由紀夫の気持ちがよくわかる、ようになってしまいました

もちろん、あんな根性はありませんけど。。

三島由紀夫は、生前、こんなことを言っていたそうです

『このまま行ったら日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残るのであろう…』

最後の、「或る経済大国が極東の一角に残る」すら危うい状況になりましたが、50年以上前に三島由紀夫が感じた通りの国になってしまいました

外国人の金持ちによる、外国人が儲かるための仕組みが次々とできていく、そして、この国土に住む人間も、もはや何人でもかまわない、それを進める外国、外国人投資家、それに、自分たちさえ生き残れればそれで良いという日本の政界、財界、官僚の一部の人間、日本人なんか消えてしまってかまわない。。。


さて、ここまでのお話とレインボーマンになんの関係が?

三島由紀夫の言葉を思い出していたら、ふと小平次の頭にレインボーマンが浮かんだんです

幼いころ、テレビで見ていた記憶はあるのですが、内容は全く覚えていない

いや、レインボーマンが七曜の化身に変身して、敵と戦う、くらいは覚えています

あと、何といっても覚えているのは、あのオープニングテーマの歌詞とメロディーですね

『インドの山奥で~♪ しゅうぎょ~うして~♪』

❤🎶愛の戦士レインボーマン OP曲【full】🎶❤final❤


で、もう一つ覚えていること

レインボーマンが戦っている敵組織の名前が

『死ね死ね団』

ドストレート過ぎて今じゃこの名前だけで放送できそうにありませんw

で、この『死ね死ね団』のテーマ曲が、これまたすごい、改めて歌詞を見てみますと、実に奥が深い。。

まずは歌詞をそのまま


『死ね 死ね
死ね死ね死ね死ね死んじまえ
黄色いブタめをやっつけろ
金で心を汚してしまえ
死ねアー 死ねウー 死ね死ね
日本人は邪魔っけだ
黄色い日本ぶっつぶせ
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
世界の地図から消しちまえ 死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね 死ね
死ね死ね死ね死ね死んじまえ
黄色いサルめをやっつけろ
夢も希望も奪ってしまえ
死ねアー 死ねウー 死ね死ね
地球の外へ放り出せ
黄色い日本ぶっつぶせ
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
世界の地図から消しちまえ 死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね
死ね死ね死ね 死ね死ね死ね』


動画はですね

まさに今回小平次が感じて記事にしようと思った感覚と、似たような想いを持った人が作ったのかな、って思う動画で、映像の方はレインボーマンと何の関係もありませんが笑えます

死ね死ね団のテーマ



それにしても凄まじい歌詞です…

『黄色いブタめをやっつけろ
金で心を汚してしまえ』


ここんとこ、刺さりますね…


テレビ版では、配役が間に合わなかったのか、当時は自虐史感満載の世の中で、フィリピン人が日本の侵略に復讐、みたいな感じを匂わせるような雰囲気を残し、結局日本人俳優の 平田昭彦さんが、国籍不明の男、として演じたそうですが、なんでも、原作段階では、死ね死ね団のボスは『白人』という設定で、原作漫画でははっきりと、日本消滅の目的は『黄禍論』がテーマと明言されているそうです


テレビ版は忖度があったようでもありますが、それでも歌詞を見る限り、このころ、戦後、25年くらい経ってたんですかね、まだ白人の『黄禍論』が続いていたことを感じている人がいたんですね

当然それは今も続いていて、日本人がこの世からいなくなればいい、そう思っている連中が、本当にいるのかいないのかはともかく、今の日本と日本人の置かれた状況は、三島由紀夫が憂えた未来そのもの、そして死ね死ね団の野望そのものです

さて、このまま『死ね死ね団』の思い通りに日本は消滅するのか、それとも、愛の戦士、レインボーマンがお出ましになるのか

それは私たち日本人が、どんな日本人でありたいのか、どんな日本であってほしいのか、それにつきるのかもしれません



御免!

PS タグに『死ね死ね団』と入れたら投稿できませんでしたww そりゃ再放送もできませんよね













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