朝日新聞の連載小説「また会う日まで」が8月から始まっています。
第1章 終わりの思い
第2章 海軍兵学校
第3章 練習艦隊 が10月31日の30回の連載で終わった。
練習艦隊のなかで、天文関係の記事が出ていたところをアップします。
天文関係の記事が僅かであった。
16.わたしたちは計時・記録担当の相棒と二人一組で六分儀を持って甲板に出た。
昼ならば太陽の最高高度とその時刻を測り、夜ならば北極星、その他の恒星、月などを
相手に同じように高度を測り時刻を記録する。
21.昭和8年(1933年)の暮れ、わたしが「春日」に乗って南洋のローソップ島に
日食観測に行くべく準備に追われていた時には近しく言葉を交わすことができた。
鈴木貫太郎さんは海軍大将から予備役に入り、なんと天皇陛下に仕える侍従長になって
おられた。その鈴木さんから会いたいという連絡が入った。一介の中佐としては恐懼せざる
を得ない。
24.わたしが最も嬉しかったのはウィルソン山にある天文台を見学できたことだ。
主役は前年に完成したという直径が2.5メートルの一枚ガラスの鏡を用いた巨大な
反射望遠鏡である。巨大な装置を一点の星に向ける大きな仕掛けに感心した。
見学は昼間だったので夜間に実際に観測しているところは見られなかったが、あれは
天文学者としてのわたしの生涯の里程標の一つとなった。今ならばユニバーサルの映画
スターより夜空のスターと言いたいところだ。
練習航海で外国を訪れる記事が多数あった。
外国の国・都市名等が漢字表記だ。
分るかな?
青島、欧羅巴、西貢、交趾支那、桑港、晩香波、紐育、布哇、馬哇、加哇
噸、浬、哩、呎、鳳梨、松林檎