弁慶最期図鐔 Tetsugendo Tsuba

弁慶最期図鐔　鉄元堂正楽


弁慶最期図鐔　銘　鉄元堂(金印)

　義経一行は奥州に逃れた。以降、義経の周囲では何事も起こらずに時は過ぎるかと思われたが、奥州の支配を考える頼朝により、まさに義経の存在が利用されることとなった。
　計り知れない資源を秘める奥州の地は、誰もが涎を垂らして眺めるだけで、手を出し得ずにいた魅力溢れる存在。それを掻き取る口実ができたのである。頼朝は再三朝廷に奥州藤原氏と義経追討を願い出、ついにその宣旨が下される。
　泰衡は、義経を庇護した父秀衡の遺志を継いで反頼朝の意志を強めていたが、ついに頼朝に屈し、衣川館の義経を攻めるのである。
　ここで義経は自害。義経とは陰陽の一面のように、常にその近傍にいた弁慶も奮戦するが、数十もの矢を射込まれて最期となった。