刀匠鍔 (鍔の歴史)
刀匠鐔と甲冑師鐔という分け方も、刀匠が製作した鐔あるいは甲冑師が製作した鐔というように、考えられがちだが、この点も実は、作者についてはわからない。この区別と呼称は明治時代以降のものである。ただし、少ない例だが、刀に生ぶの状態で装着された鉄の板鐔やハバキがあるそうで、これが刀匠の作と推測されている。
甲冑師鐔については、耳の造り込みが桶底式であったり環耳であったりと構造的であることから、筋兜など甲冑金具の製作に通じた職人の手になるものとの判断が為されているようだ。また、車透のように、透かしを多用するのも甲冑師で、この点が技術的に刀匠より上と考えているようだ。
単なる板鐔で耳の立たない甲冑師鐔もある。刀匠鐔とは似ているのだが、刀匠鐔については、切羽台に比して耳際の厚さがやや薄手になる傾向がある点、甲冑師鐔はほぼ一定している点を極め所としている。
鉄味は、保存状態に左右されるので、なんともいえない。この保存状態から、時代の下がる鐔が一時代上がって判断されたり、逆に綺麗過ぎることから時代を下げて鑑られることもある。即ち、最初に述べたように、見ることによって受ける感覚的なところで判断せざるを得ないのである。
鐔に含まれている元素を分析すれば、ある程度の時代範囲で判明するが、世の中にある多くの作例を分析する手立てがないのも現実。「分からないところは分からない」が正しい判断と言えよう。
茸透図鐔 古刀匠
「くくりざる」とも言われているが、何を意匠したものか不明。古い鐔には間々みられる図である。鐔の表面には鎚の痕跡が地衣類のように残り、その風合いは、まさに鍛鉄の表面。やはりこの透かしの意匠がいい。80.2ミリ。
刀匠鐔と甲冑師鐔という分け方も、刀匠が製作した鐔あるいは甲冑師が製作した鐔というように、考えられがちだが、この点も実は、作者についてはわからない。この区別と呼称は明治時代以降のものである。ただし、少ない例だが、刀に生ぶの状態で装着された鉄の板鐔やハバキがあるそうで、これが刀匠の作と推測されている。
甲冑師鐔については、耳の造り込みが桶底式であったり環耳であったりと構造的であることから、筋兜など甲冑金具の製作に通じた職人の手になるものとの判断が為されているようだ。また、車透のように、透かしを多用するのも甲冑師で、この点が技術的に刀匠より上と考えているようだ。
単なる板鐔で耳の立たない甲冑師鐔もある。刀匠鐔とは似ているのだが、刀匠鐔については、切羽台に比して耳際の厚さがやや薄手になる傾向がある点、甲冑師鐔はほぼ一定している点を極め所としている。
鉄味は、保存状態に左右されるので、なんともいえない。この保存状態から、時代の下がる鐔が一時代上がって判断されたり、逆に綺麗過ぎることから時代を下げて鑑られることもある。即ち、最初に述べたように、見ることによって受ける感覚的なところで判断せざるを得ないのである。
鐔に含まれている元素を分析すれば、ある程度の時代範囲で判明するが、世の中にある多くの作例を分析する手立てがないのも現実。「分からないところは分からない」が正しい判断と言えよう。
茸透図鐔 古刀匠
「くくりざる」とも言われているが、何を意匠したものか不明。古い鐔には間々みられる図である。鐔の表面には鎚の痕跡が地衣類のように残り、その風合いは、まさに鍛鉄の表面。やはりこの透かしの意匠がいい。80.2ミリ。