蝸牛図鐔 (鐔の歴史)
蝸牛図鐔 政随
極めて写実的な作だが、題材の選択に情緒的な側面も窺える。魅力の源は素材である色金の使い方にもあろう、背景は朽ちた落ち葉か土であろう、ゆったりと歩む、と言ってよいのだろうか、その姿を正確に描出している。表はその生命の存在を、裏面は殻を描いて死の様子。いずれも銀と朧銀の高彫に細かな毛彫を加えて独特の虹色を再現し、蝸牛の身体はわずかに褐色味のある朧銀で、ぬめっとした皮膚の様子と細かな文様も巧み、突出した目は金で効果的。凄い技術であることはもちろんだが、時間を感じさせる画面構成も感動する。74ミリ。
蝸牛図鐔 政随
極めて写実的な作だが、題材の選択に情緒的な側面も窺える。魅力の源は素材である色金の使い方にもあろう、背景は朽ちた落ち葉か土であろう、ゆったりと歩む、と言ってよいのだろうか、その姿を正確に描出している。表はその生命の存在を、裏面は殻を描いて死の様子。いずれも銀と朧銀の高彫に細かな毛彫を加えて独特の虹色を再現し、蝸牛の身体はわずかに褐色味のある朧銀で、ぬめっとした皮膚の様子と細かな文様も巧み、突出した目は金で効果的。凄い技術であることはもちろんだが、時間を感じさせる画面構成も感動する。74ミリ。