猪子祝図小柄
猪子祝図小柄 無銘
赤銅魚子地を高彫にし、金銀の色絵を施し、何やら包みに銀杏とシノブ草の葉を添えている図。これだけでは何の図かさっぱり判らない。
実は、十月の亥の日、亥の刻に特別の餅を食べるという風習があった。「猪の子だくさん」の謂いが良く知られているように、即ち子に恵まれるように、末代までの繁栄を願った風習の一つ。
将軍家から下賜される猪子餅は、三つの階級によって別けられていた。上亥、中亥、下亥で、上亥はシノブ草と菊が、中亥にはシノブに紅葉、下亥にはシノブと銀杏が添えられていたのである。
赤銅魚子地高彫金銀色絵裏板金哺。金の色をわずかに違え、色彩に多様性を持たせている。毎年この行事の際には使用されたのであろう、少し傷みがあるのは、実用されたこと、即ち習俗が生きていたことを意味している。
《鐔 Tsuba 装剣小道具の世界から》記事を更新しました
これまで十年以上、古美術雑誌『目の眼』において《装剣小道具の世界》と題して連載ページをいただき、刀剣に関わる金工芸術の魅力を紹介してきましたが、雑誌の内容を大きく変更する方針となり、連載が休止となりました。今後は、Web上にて同様に装剣金工作品の魅力を伝えてゆくつもりでおります。これまでは月刊雑誌という点から制約がありましたので、月一という紹介でしたが、今後は、掲載日を定めずに紹介して行く予定です。同様に、売品については価格を記載できなかったものを、Web上では価格表記も可能になりましたので、お求めをお考えの方にとっては、コレクションに直接つながる楽しみもあろうかと思います。このブログ同様に楽しんでいただければ幸いと考えております。
猪子祝図小柄 無銘
赤銅魚子地を高彫にし、金銀の色絵を施し、何やら包みに銀杏とシノブ草の葉を添えている図。これだけでは何の図かさっぱり判らない。
実は、十月の亥の日、亥の刻に特別の餅を食べるという風習があった。「猪の子だくさん」の謂いが良く知られているように、即ち子に恵まれるように、末代までの繁栄を願った風習の一つ。
将軍家から下賜される猪子餅は、三つの階級によって別けられていた。上亥、中亥、下亥で、上亥はシノブ草と菊が、中亥にはシノブに紅葉、下亥にはシノブと銀杏が添えられていたのである。
赤銅魚子地高彫金銀色絵裏板金哺。金の色をわずかに違え、色彩に多様性を持たせている。毎年この行事の際には使用されたのであろう、少し傷みがあるのは、実用されたこと、即ち習俗が生きていたことを意味している。
《鐔 Tsuba 装剣小道具の世界から》記事を更新しました
これまで十年以上、古美術雑誌『目の眼』において《装剣小道具の世界》と題して連載ページをいただき、刀剣に関わる金工芸術の魅力を紹介してきましたが、雑誌の内容を大きく変更する方針となり、連載が休止となりました。今後は、Web上にて同様に装剣金工作品の魅力を伝えてゆくつもりでおります。これまでは月刊雑誌という点から制約がありましたので、月一という紹介でしたが、今後は、掲載日を定めずに紹介して行く予定です。同様に、売品については価格を記載できなかったものを、Web上では価格表記も可能になりましたので、お求めをお考えの方にとっては、コレクションに直接つながる楽しみもあろうかと思います。このブログ同様に楽しんでいただければ幸いと考えております。