曳き舟図 細野惣左衛門
曳き舟図 銘 細野惣左衛門
舟で引き上げているのは炭のようだ。川の流れを利用して運搬する業態は、京の高瀬川の高瀬舟の例でも良く知られている。この鐔の作者は、京都やその近郊の風景を題材に選んだ細野惣左衛門であり、おそらく高瀬川のそれに取材したものであろう、同時代の風俗が良くわかる図でもある。炭は、大原女が売り歩いた黒木と共に生活の必需品。後藤家では多数の炭の図を描いた作例があるも、多くは茶に通じた道具として描いている。この惣左衛門の図とは自ずと意味が異なる。ぴんと張った綱、大地を踏む男たちの姿が、簡潔な線画ながら巧みに描かれている。冬を迎える京都の風景の一つでもある。
《鐔Tsuba 装剣小道具の世界》更新しました
曳き舟図 銘 細野惣左衛門
舟で引き上げているのは炭のようだ。川の流れを利用して運搬する業態は、京の高瀬川の高瀬舟の例でも良く知られている。この鐔の作者は、京都やその近郊の風景を題材に選んだ細野惣左衛門であり、おそらく高瀬川のそれに取材したものであろう、同時代の風俗が良くわかる図でもある。炭は、大原女が売り歩いた黒木と共に生活の必需品。後藤家では多数の炭の図を描いた作例があるも、多くは茶に通じた道具として描いている。この惣左衛門の図とは自ずと意味が異なる。ぴんと張った綱、大地を踏む男たちの姿が、簡潔な線画ながら巧みに描かれている。冬を迎える京都の風景の一つでもある。
《鐔Tsuba 装剣小道具の世界》更新しました