猪目透図鐔 応仁
猪目透図鐔 応仁
象嵌の脱落防止のための処理という点でこの鐔を紹介する。力強い意匠構成とされた鐔。図柄は、放射状の真鍮線象嵌。古式の車透からのものであろうが筋兜を意匠したようにも見える。地鉄そのものは刀匠鐔や甲冑師鐔のように鍛え強く、鍛えた鎚の痕跡も明瞭に残り、もちろん腐食もあって真鍮の脇に朽ち込みなどが窺えるも、鉄地を責めて象嵌が落ちないように工夫しているところが鑑賞の要点。切羽台の周囲に花文が施されているも、同様に点象嵌もある。切羽台に沿って細かな菊花状の装飾を施している点も注意されたい。特に金属の上から打ち込んでいる鏨が鋭く、これによって象嵌の落ちるのを防いでいるのかもしれない。85ミリ。
猪目透図鐔 応仁
象嵌の脱落防止のための処理という点でこの鐔を紹介する。力強い意匠構成とされた鐔。図柄は、放射状の真鍮線象嵌。古式の車透からのものであろうが筋兜を意匠したようにも見える。地鉄そのものは刀匠鐔や甲冑師鐔のように鍛え強く、鍛えた鎚の痕跡も明瞭に残り、もちろん腐食もあって真鍮の脇に朽ち込みなどが窺えるも、鉄地を責めて象嵌が落ちないように工夫しているところが鑑賞の要点。切羽台の周囲に花文が施されているも、同様に点象嵌もある。切羽台に沿って細かな菊花状の装飾を施している点も注意されたい。特に金属の上から打ち込んでいる鏨が鋭く、これによって象嵌の落ちるのを防いでいるのかもしれない。85ミリ。