龍文図鐔 平安城象嵌
龍文図鐔 平安城象嵌
真鍮象嵌鐔を連続して見た上で興味深いのがこの作だ。平安城象嵌として極めているが、応仁の要素を充分に備えている。象嵌の手法も古様式とみられる。龍の下半、その左右の文様の周囲に彫り込んだ痕跡がある点も興味深い。象嵌が落ちたものか、製作途中であったものか、あるいは鎌倉鐔のように鋤彫を装飾として考慮していたものであろうか。考え方は多様だ。文様も古拙と言って良いのだろうか、意図して、即ち独創を狙ったものか。同時代の古金工にはもちろん優れた龍の表現があるわけだから、明らかに龍の姿態は創造のもの。応仁鐔から平安城象嵌が隆盛をみる頃の、頗る面白い鐔である。80ミリ。
龍文図鐔 平安城象嵌
真鍮象嵌鐔を連続して見た上で興味深いのがこの作だ。平安城象嵌として極めているが、応仁の要素を充分に備えている。象嵌の手法も古様式とみられる。龍の下半、その左右の文様の周囲に彫り込んだ痕跡がある点も興味深い。象嵌が落ちたものか、製作途中であったものか、あるいは鎌倉鐔のように鋤彫を装飾として考慮していたものであろうか。考え方は多様だ。文様も古拙と言って良いのだろうか、意図して、即ち独創を狙ったものか。同時代の古金工にはもちろん優れた龍の表現があるわけだから、明らかに龍の姿態は創造のもの。応仁鐔から平安城象嵌が隆盛をみる頃の、頗る面白い鐔である。80ミリ。