客観的事実とは異なる無責任な情報を「流言(デマ)」と言います。インターネットの発達によって
正しい情報だけでなく、デマの伝達範囲も広がり、スピードも飛躍的にアップしていることを実感します。
デマに振り回されないためにも、デマの特徴・性質を研究した、アメリカの心理学者G・W・オルポート
の古典的名著「デマの心理学(1947年)」を紐解いてみたいと思います。
オルポートはその著作の中でデマ(流言)を以下の3つの要素で定義しています。
1.話の内容が客観的事実であるかどうかの確認・検証が行われていない。
2.もっともらしい“非公式・個人的な情報伝達手段”を介して流布していく。
3.権威者や有名人からの情報であるとの触れ込みで、大勢の人々に事実であると信じられていく命題である。
情報が多くの人々を経由して伝達されていく過程においても、伝えられる内容が大きく変化していくことは
「伝言ゲーム」を経験したことのある方なら、うなずけると思います。オルポートは情報変容のプロセスで、
以下の3つの法則が作用していると考えました。
1.平均化(leveling):初期に含まれていた多数の要素が、伝達途中で次第に簡略化・要約され平易になっていく。
2.強調化(sharpninng):平均化・簡略化された内容のなかでインパクトのある内容だけが協調されたり、
他の情報が付加(話を盛る)されて内容が歪む。
3.同化あるいは合理化、統合化(assimilation):伝達者の関心や期待、価値観に沿った内容になるように(無意識に)
解釈し、再構成する。
以上参考になりましたでしょうか?