1916年度の全国安全週間が7月1日~7日に行われました。そこで顧問先の従業員教育において使用した1文を引用します。安全とは日々意識し守るべきものですが、少なくとも年1回はこの原点に思いを馳せたいと思います。
1906年世界一の製鉄会社であったUSスチール社のシカゴ製鉄所では毎年1万人の従業員のうち1,200人が事故で死亡又は重症を負っていました。
敬虔なクリスチャンであったゲイリー社長はこれに痛く心を悩ませ会社業績悪化を覚悟の上で従来の方針を転換しました。すなわち「生産第一」「品質第二」「安全第三」を「安全第一」「品質第二」「生産第三」に変更したのです。
当時の常識に反したこの決断は 社内でも反対が多く社外からは嘲笑をあびたと言われています。
ところが労働災害が激減し作業環境が整備されることにより 従業員の士気が高まり定着率も向上、品質事故が激減し生産効率も大幅にアップしたのです。これにより「安全第一」は製鉄業界、他産業にそして世界各国にも広がって我が国でも現在では常識となっています。安全衛生のテキストには必ず取り上げられている逸話ですが 110年後の現代に於いて我々は何を読み取るべきなのでしょうか?