詩集大阪 小野十三郎 著 創元社
この詩集の作者は、卒業した中学と高校の校歌の作詞をされた方だったということだけはしっかり覚えていました。作者の方の読み方ですが、ずっと『じゅうざぶろう』と読むと勝手に思っていたのですが、『とおざぶろう』と読むということも今回初めて知りました。図書館でこの本をたまたま発見し、少し読んでみました。作者は、当時、大阪を代表されていた詩人でおられたということも初めて知りました。中学の校歌と高校の校歌は作曲された方がそれぞれ違う方だったので曲調は全く違うのですが、全く同じ歌詞が何箇所かあって、ところどころ少しだけ変えてあったりする歌詞もあって、音楽の授業で校歌を歌う授業が頻繁にあった高校時代にこの校歌を歌う度に、同じ歌詞の校歌を作っておられたのだろうと思っていました。この詩集は昭和28年に発行された本で、相当傷んでいる本でした。この本の中に掲載されている詩は、校歌からは想像できない独特の言いまわしで、当時の荒廃した大阪の現実や風景を直視して書かれている、どちらかというと黒のイメージの詩がたくさん掲載されていました。大阪の重工業地帯を取材し、工場・煙・高圧線・濃硫酸やマグネシウムなどの薬品類の言葉が詩の中にたくさん使用されていて、その詩の中に一緒に表現されている自然の植物・鳥・背景などの描写が、常にダークなものの中に存在しているものとしてのイメージを想像させるような独特の作法の詩でした。戦前と戦後の大阪を知る上でも貴重な詩集ひとつなのかもしれません。
この詩集の作者は、卒業した中学と高校の校歌の作詞をされた方だったということだけはしっかり覚えていました。作者の方の読み方ですが、ずっと『じゅうざぶろう』と読むと勝手に思っていたのですが、『とおざぶろう』と読むということも今回初めて知りました。図書館でこの本をたまたま発見し、少し読んでみました。作者は、当時、大阪を代表されていた詩人でおられたということも初めて知りました。中学の校歌と高校の校歌は作曲された方がそれぞれ違う方だったので曲調は全く違うのですが、全く同じ歌詞が何箇所かあって、ところどころ少しだけ変えてあったりする歌詞もあって、音楽の授業で校歌を歌う授業が頻繁にあった高校時代にこの校歌を歌う度に、同じ歌詞の校歌を作っておられたのだろうと思っていました。この詩集は昭和28年に発行された本で、相当傷んでいる本でした。この本の中に掲載されている詩は、校歌からは想像できない独特の言いまわしで、当時の荒廃した大阪の現実や風景を直視して書かれている、どちらかというと黒のイメージの詩がたくさん掲載されていました。大阪の重工業地帯を取材し、工場・煙・高圧線・濃硫酸やマグネシウムなどの薬品類の言葉が詩の中にたくさん使用されていて、その詩の中に一緒に表現されている自然の植物・鳥・背景などの描写が、常にダークなものの中に存在しているものとしてのイメージを想像させるような独特の作法の詩でした。戦前と戦後の大阪を知る上でも貴重な詩集ひとつなのかもしれません。