悲しみの余韻の歌:尾崎左永子の短歌 2022年09月02日 19時06分40秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む ・悲しみの余韻のごとくつばひろき帽子が白く遠ざかりゆく 「春雪ふたたび」所収。 相手は誰か詠みこまれていない、別れた場所も詠みこまれていない。「悲しみ」だけに焦点が当てられ、他は「捨象されている」。「悲しみが際立つ」。 悲しみの象徴。「白き帽子」。心を形にしている。その帽子が「遠ざかりゆく」。これが余韻だ。 ただ「遠ざかりゆく」ではなく「白く遠ざかりゆく」がいい。なかなか思い切った表現だ . . . 本文を読む