1959年(昭和34年)佐太郎は岩手・秋田県境の八幡平を訪れますが、そのときの作品が20首「群丘」に収められています。その中の一つ。造語が効いている作品です。・・・ . . . 本文を読む
蛍。夏の風物詩ですが、そうであるだけ作品にするのは難しいのではないかと思います。「風物詩」とはその季節独特のものと広く認知されているからです。つまり素材の珍しさに頼れない訳です。こういうところに作者の力量が試されるように思うのですが。・・・ . . . 本文を読む
各種の世論調査によると、原子力発電を「続けるべきだ」は20パーセント弱、「ただちに止めるべき」「段階的に止めるべき」を合わせると約60パーセントです。しかし、6月末の株主総会では「原子力発電からの撤退」の株主提案は大差で否決されました。この落差は一体何なのでしょう。・・・ . . . 本文を読む
1933年(昭和8年)は日本にとって大転換の年でした。国際連盟を脱退して、国際的孤立・戦争の泥沼化へ向かい始めたのです。最近「新説」が一部で主張され始めましたが、まずはそのあたりのことから。・・・ . . . 本文を読む
斎藤茂吉の時代の精神科はよい薬も少なく、時には「ただ見守るだけ」ということもあったそうです。(塚本邦雄「茂吉秀歌」への北杜夫の解説。)入院患者が完治して退院したり、社会復帰するのもなかなか難しかったようです。そういう悲しみを茂吉は詠嘆します。茂吉ならではの作品と言えるでしょう。・・・ . . . 本文を読む
中学の地理の教科書で、一般常識の範囲としてさらっと終わらせるのが「自然災害の多い日本列島」という単元。「6月が過ぎると秋まで台風が多い」「日本の川は急流が多く水害が多い」とテレビニュースを見ていればわかることだからです。ところがここ数年、深刻になってきたように思います。 . . . 本文を読む
塚本邦雄の作風の特徴は、暗喩(「ごとし」「~のように」を使わない比喩)を使ったことでしょう。そのため難解歌になる傾向があるのですが、暗喩を使わなくても難解、あるいは解釈が分かれる場合が多々あります。この作品もそのひとつでしょう。 . . . 本文を読む