今年は斎藤茂吉の生誕130年になります。神奈川文学館では「茂吉再生」展が開催されています。斎藤茂吉の著作、日記、手帳などは「斎藤茂吉全集」に収められています。けれど生身の人間である斎藤茂吉は、それらからは窺い知る事は出来ません。そこで、展示を見て記念講演を聞いて確かめようと思いました。また「茂吉再生」という展示のタイトルも気になりました。つまり茂吉が、いつ、どのように「再生」するというのか、ということでした。 . . . 本文を読む
2011年の東日本大震災ほど日本人が「生と死」を考えるきっかけとなるものは、近年なかったでしょう。祈りに似た思いが日本各地で語られています。歌人はなにをどのように詠うのか。それが議論にもなって来ました。けれど事実の大きさと、事実の羅列になりやすいこともあって、なかなか「何をどのように」ということが明らかにならないと僕は思っています。短歌の「挽歌」という形式と伝統が、その答えの鍵のなるような気がします . . . 本文を読む
「短歌研究」6月号の特集は「石川啄木」でした。6人の歌人が論考を書き、14人の歌人が一首鑑賞をエッセイ風に書いています。このうち嵯峨直樹(未来)と山田航(かばん)の論考に注目しました。 . . . 本文を読む
斎藤茂吉の第12歌集「寒雲」。日中全面戦争が始まった年からの作品が収められていますが、戦争詠以外に叙景歌のすぐれたものや、連作の実験的なものがあり、見るべき作品が多くあります。まだ戦争一色ではなかったのです。いわば茂吉の作品のうち、戦中の良質な部分といえましょう。 . . . 本文を読む
2011年3月11日の東日本大震災以降、軽々しく使えなくなった言葉があります。「想定外」。何事も最悪のことを考えておく。「辛く見積もる」と言えましょう。あらゆる分野で始まりそうです。 . . . 本文を読む