齊藤茂吉の第2歌集「あらたま」は茂吉32歳から36歳までの作品が収められています。「赤光」の後期に「写生歌になってきた」(塩原行)と書き残した茂吉ですが、「赤光」的世界はまだまだ続いたようでした。これを塚本邦雄は「幻想」と呼ぶのですが・・・。 . . . 本文を読む
田中正造。足尾銅山の鉱毒事件の企業・政府の責任と、被害者の救済に走りまわったことはよく知られています。ある時、たまたま立ち寄った寺の境内に大きな墓石がありました。それが田中正造の墓だったので・・・。 . . . 本文を読む
「100年先に残る短歌を詠みなさい」。尾崎左永子著「現代短歌入門」のなかの、「いい短歌とは何か」という問いに対する一文です。作歌を始めた頃は、夢の夢でしたが、2009年11月に刊行された「角川現代短歌集成」に縁あって出詠しました。長く読み続けられるものと思いますので、ご紹介します。・・・ . . . 本文を読む
「帰潮」は佐藤佐太郎の第五歌集。1952年(昭和27年)刊行ですが、1947年(昭和22年)から、1950年(昭和25年)までの作品が収録されています。38歳から41歳までの作品です。壮年期、「象徴的写実歌」と言われる歌風を確立したと言われているものです。・・・ . . . 本文を読む
歌集「夜の林檎」を出した時、お世話になった歌人のところまで持参しました。そこで聞いた言葉は「第一歌集は必死」「第二歌集は夢中」「第三歌集でその人の味が出る」と言われました。佐藤佐太郎も第三歌集「しろたへ」までが「覚醒期」といわれ、「立房」「帰潮」で歌風が確立したと言われます。(「佐藤佐太郎集第一巻・解説」による)第三歌集までで「核が決まる」とでも言いましょうか。しかし佐太郎の場合、「歩道」(事実上の第二歌集)は特別な意味があったようです。・・・ . . . 本文を読む
短歌を詠み始めて間もない頃、寺山修司の歌集を探し回ったことがあります。それは、短歌作者や短歌愛好家にとどまらず広く読まれていたからです。何故かくも多くの人に読まれたのか。これを知りたかったからでした。 . . . 本文を読む
佐藤佐太郎の短歌の特徴のひとつは、「難解な言葉を使わない」ということです。ところが、「難解歌」とされるものがあります。「ものを見ること」「感じること」「表現すること」の関係を考える材料になるかも知れません。・・・ . . . 本文を読む
歌人の歌境や心境は年齢とともに変化します。若いころシャープな都市詠・心理詠を詠んでいた佐藤佐太郎も60歳を目前に歌風が変わってきます。病気入院などが原因でしょうか。円熟味を増すというか老成してきます。・・・ . . . 本文を読む
佐藤佐太郎は1940年(昭和15年)に「歩道」を出版し、1942年(昭和17年)に「軽風」を出版しました。それゆえ普通「歩道」が佐藤佐太郎の第一歌集といわれますが、作品の制作時期は「軽風」の方が先んじています。ですからここでは「軽風」を第一歌集としました。・・・ . . . 本文を読む